INTERPRETATION

第18回 D-Dayって何?

グリーン裕美

国際舞台で役立つ知識・表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。今日は雨模様の東京で執筆しています。三重の田舎で両親と1週間過ごしたあと、東京に出てきました。今回は通訳や講演などの仕事はなく、逆に受講生としてセミナーを受けたり、オンライン講座(グリンズアカデミー)の親睦会をしたり、JACI同時通訳グランプリの観覧をしたり、友人や東京の家族に会ったりと気楽に楽しんでいます。

ところで5月末に日本に到着したときはちょうど訪日中だったトランプ大統領ですが、いったん米国に戻ったあと、今度はイギリスを国賓として訪問(a state visit)。続けて訪仏。トランプ大統領が次々と外遊されているのを「大統領選挙が近いから?」と言う人もいますが、今回欧州を訪問されたのはノルマンディー上陸作戦75周年の記念式典 (the 75th anniversary of D-Day) に招待されたためでした。

では「ノルマンディ上陸作戦」って何でしょう?

よくご存知の方も多いかもしれませんが、私は恥ずかしながらフランス北西部ノルマンディにホリデーで行くまでこの地域が第2次世界大戦でどれほど重要だったのかという事実を知らずにいました。

イギリスからはイギリス海峡(English Channel)をはさんで向かい側。現在は、イギリスからフェリーで気軽にホリデーに行く人が多い地域ですが、第2次世界大戦中、ナチス・ドイツがフランスを占領したあとに英米軍が上陸を決めた場所として知られています。

200万人もの兵士が一気に上陸した1944年6月6日はD-Dayとして知られています。

この大規模な軍事作戦のおかげでドイツを劣勢に追い込むことができたので、第2次世界大戦の戦勝国(連合国 Allies)にとってはお祝いの日です。それで、米国の大統領が国賓(a state visit)としてイギリスに招待されたり、英仏でそれぞれ開催された75周年記念式典に出席したりしました。ちなみに当時一緒に戦ったロシアのプーチン大統領は今回の式典に招待されていません。

ここ数年、貿易を含む様々な政策では方向性が異なる米国との関係は複雑ですが、まだまだ価値観を共有できる面も残されていることを示すイベントでした。

さて、有意義だった一時帰国も今日で終わり。イギリスにいるときはオンラインで出来るだけ日本語に触れ、日本の人々と接するようにしていますが、やはり実際に会ってお話しできるのは特別な機会です。ハイキャリアのコラムやTwitterを読んでくださっている方から声をかけていただくことも何度かあり、とても嬉しかったです♪

来週からはまたイギリスから発信しますが、引き続きよろしくお願いいたします。

2019年6月10日

 

 

 

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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