第5回 RCEPって何?
2月も中旬。私はこの時期が割と好きです。まだ寒い日々が続くものの、少しずつ日が長くなるのが感じるからです。今まで朝食の片付けが終わる午前7時は真っ暗だったのが、最近は薄明るくなり、朝焼けが見える日もあって「もうすぐ春だな」とほっこりします。
ところで前回取り上げた日欧EPAは既に発効にされていて、ニュースで見聞きしたり地元のお店で特売も行われていたりして割と一般にも知られているのではないかと思いますが、RCEPはいかがでしょう?
まずは読み方は「アールセップ」。英語でもRを英語っぽく発音し、Pは子音だけにする以外はだいたい同じ発音です(I think you know what I mean…)。
Regional Comprehensive Economic Partnershipの略で「東アジア地域包括的経済連携」と訳されます。
Comprehensive Economic Partnership(包括的経済連携)という言葉から自由貿易協定(free trade agreement)のようなものだと想像がつきますが、英語には「東アジア」にあたる言葉がないのでその適用範囲が気になります。
RCEP交渉参加国はASEAN10か国に加えて、オーストラリア、インド、中国、日本、韓国、ニュージーランド。「東アジア」のイメージよりも広範囲です。
また「世界の貿易総額の約3割、世界のGDPの3割を占める」というあたりは日欧EPAと比べて驚く数字ではありませんが、人口ではなんと世界人口の約半分の34億人が住む経済圏になります。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)には入っていない中国やインド、インドネシアのような人口の多い国々が含まれているのが特徴です。
昨年11月14日にシンガポールでRCEP首脳会議が開催され、安倍総理も出席されました。
どのような協定を目指しているかという話し合いで使われる表現は、modern(現代的な)、comprehensive(包括的な)、 high-quality(質の高い)、 mutually beneficial(互恵的な)など。日本からは「自由貿易の旗手(a flag-bearer of free trade)、自由貿易の旗を高く掲げて(to raise high the flag of free trade)。またトランプ政権誕生以来、fight against protectionism(保護主義に対抗して)、multilateralism/multilateral agreement(多国間主義/多国間協定)などという表現をよく見聞きします。
同会議では2019年中に交渉を妥結する(to conclude negotiations)方針が確認されています。
すでに開発が進んでいる先進国中心のEUとは違い、これからまだまだ成長が期待される地域が多く含まれているRCEP。今年中にまた新たな動きがありそうです。
2019年2月11日
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