INTERPRETATION

Vol.1 「やろうと思えば何でもできる」

ハイキャリア編集部

通訳者インタビュー


【プロフィール】
王みどりさん Midori Wong
上智大学文学部英文学科卒業。在学中よりTV番組等で通訳を開始。
卒業後は外資系企業に就職。結婚退職後に渡米し、帰国後は英国大使館、ファッション業界、自動車分野等にて会議通訳をこなす。その後さらにジャンルを広げ、舞台照明関連、建築、音楽分野、及び記者会見等での同時通訳を担当。現在は主にIT、マーケットリサーチ、広告代理店などの分野で活躍中。

Q. 通訳を目指そうと思ったきっかけは?

学生時代、アルバイトで通訳をしたのがきっかけです。その後、英国大使館やテレビ局からも依頼が来るようになりました。ただ大学卒業後は、就職、結婚、渡米、育児と大イベントの連続で、通訳者として復帰するまでに少しブランクがありました。

Q. どのようにして通訳技術を身につけたのですか?

通訳学校に通ったことがないので、いわゆる「正統派」の通訳ではありません(笑)。最初はメモ取りも分からず、全て現場で覚えました。自分にはちょっと難しいかなと思うような仕事も、勉強だと思って積極的に請けてきました。今ではどんな分野のお仕事が来ても、臆せず入って行けるというのが私の強みですね。

Q. 今までで一番印象に残ったお仕事は?

最近で言えば、ポール・マッカートニーのコンサートでの同時通訳です。会議通訳とは違い、「ぼく○○なんだ」と割とフランクな感じで訳出しをするのですが、気をつけていないと、いつもの「ですます」調になりそうで(笑)。
その他、印象に残っているのは東京Disney Seaでの仕事です。通訳者として、ものを作って行く過程に参加できたのは、非常に興味深い体験でした。

Q. スケジュール管理と休日の過ごし方について教えてください。

最近あまり休みを取れませんが、時間を見つけてはジムに通っています。家事が負担になることもありますが、自分ができないことを他人やその時の状況のせいにはしたくないんです。本当にやろうと思えば何だってできる、これが私のモットーです。「できない」ではなく、探せば何か方法はある。大事なのは自分でその方法を見つけることです。

Q. もし通訳者になっていなかったら?

きっと専業主婦にはならないでしょう。先生になっていたと思います。学生時代、家庭教師をしていましたが、教えるだけではなく、難しい年齢の生徒の悩みを聞く、というカウンセラー的な役割が好きでした。これは向いているなと思いました。通訳を始めてからは時間の関係で続けることはできませんでしたが、教えることは今でも大好きです。

Q. これから通訳を目指す方へのメッセージをお願いします。

チャンスがあれば、迷わずチャレンジしてください。自分には難しすぎるとか、料金的に合わないという理由で二の足を踏むのではなく、とにかく動いてみることだと思います。通訳者は度胸も必要です。自信がない態度は、クライアントにも不安感を与えます。一つの仕事が次の仕事につながったり、通訳仲間から仕事を紹介してもらうこともあります。あせらずやれば、必ず結果は出ます。ただそのチャンスに備えて常に準備しておく必要はありますよね。
いつも仕事でご一緒する通訳者さん達には非常に感謝しています。仕事のみならず、周りの方から学ぶものの大きさが支えとなっているんです。周りと協力し、お互いが相手の立場も考えながら、楽しく仕事が出来ればベストですね。

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ハイキャリア編集部

テンナイン・コミュニケーション編集部です。
通訳、翻訳、英語教育に関する記事を幅広く発信していきます。

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