INTERPRETATION

第326回 「潜在的危険が多い状況」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

minefield 潜在的危険が多い状況
If you want to buy a house, choose a good real estate agent.  Otherwise, you might face a minefield of issues.(家を買いたいのなら、良い不動産店を選ぶと良いでしょう。さもないと、潜在的危険が多い状況とも言える問題に直面しますよ。)

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「潜在的危険が多い状況」を口語英語でminefieldと言います。文字通り訳せば「地雷原」ですが、そこから転じて「目に見えない危険な状況」を表す意味になりました。mine自体は「地雷」、fieldは「原っぱ」のことです。

ところで日本でも大人気となったゲームの「マインクラフト」ですが、これは造語です。「地雷」のmineにcraft(手仕事)をつなげたもので、自由に砂場で遊ぶ感覚と似ている、という観点から「サンドボックス・ゲーム」とも呼ばれています。

それにしても代名詞のmineに「地雷」というかけ離れた語義があるのも興味深いですよね。他にもpenには筆記用具の意味の他に「家畜」という語義もありますし、outrageousは誉め言葉で「すごい」という様子を表すこともあれば、「言語道断だ」という意味も有します。

ちなみに私が違和感を覚えるのが、greenhouse effectの訳語。effectを「効果」と訳し、全体で「温室効果」です。けれども私の中では日本語の「効果」はポジティブなイメージなのです。今から数十年前、最初にこの英単語が日本で訳された際、「温室影響」としていたら、今は違った定訳になっていたかもしれませんよね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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