INTERPRETATION

第323回 「賢さを鼻にかけて嫌われる」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

too clever by half 賢さを鼻にかけて嫌われる
My classmate in primary school was too clever by half.  She always boasted about her test scores.(私の小学校時代のクラスメートはいつも賢さを鼻にかけて嫌われていました。いつもテストの点数を自慢していましたね。)

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「賢さを鼻にかけて嫌われる」を英語でtoo clever by halfと言います。文字通り訳せば「半分賢過ぎる」となり、よくわかりませんよね。これは主にイギリスで使われる表現であり、皮肉を込めたフレーズです。

似たような表現でtoo cute by halfがあり、こちらは「こざかしい」という意味になります。ニュアンスとしては、「自分が可愛いことを自覚している」ものの、あえて無知を装う(=半分〔half〕に見せかける)ことで相手より有利な立場に立とうとする様子を表しているそうです。

ところで英語のニュースではhalf, third, quarterといった表現が出てきます。たとえば”The Central Bank raised its key interest rate by a quarter of a percentage point.“であれば、「中央銀行は金利を0.25%引き上げました」となります。でも、”a third of a percentage point”などと言われてしまうと、きっちり割り切れません。「0.333333パーセント?」と私の頭の中ではこんがらがってしまいます。

同時通訳で難儀するのは、実は数字でもあるのです。日々精進あるのみです!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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