INTERPRETATION

第320回 「力説する」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

hammer home 力説する
We must hammer home the message that too much time on your smartphone will cause sleep deprivation. (スマートフォンの使い過ぎは睡眠不足を引き起こすというメッセージを、私たちは力説せねばなりません。)

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「力説する」を英語でhammer homeと言います。hammerは工具の「ハンマー」(名詞)ですが、「ハンマーでたたく」という動詞でも使えます。一方、homeはここでは「ぐさりと、深く」という副詞。両方を合わせて「力説する」という意味になっています。

CNNのニュースではこうした珍しいフレーズがよく出てきます。私としては、hammer homeよりもemphasizeのような既知単語一つを用いてもらえる方が訳しやすいのですが、これも勉強!新しい表現をノートに書き留めては調べることを楽しんでいます。そう、エンジョイすることが大事なのですよね。

ところでhammerで思い出すのがhammerhead shark。こちらも最近、地球温暖化や自然関連のニュースで耳にします。「シュモクザメ」のことです。確かに頭の形がハンマーですので、英語の方が想像しやすいですよね。シュモクザメの特徴は、獰猛で人を襲うケースもある、とのこと。なお、「シュモクザメ」は漢字で書くと「撞木鮫」です。「撞木(しゅもく)」はお寺の鐘を鳴らす長い棒のこと。吊り下げられている、あの棒のことです。「撞」は「物体で物体を打つ」という意味です。

英語表現から漢字の意味調べまで、まさに西洋と東洋の「旅」を満喫しました!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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