INTERPRETATION

第316回 「議論の本題」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

the meat of the matter 議論の本題
Before we get to the meat of the matter, let me explain today’s agenda. (議論の本題に入る前に、今日のスケジュールをご説明します。)

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今回ご紹介するthe meat of the matterは「議論の本題」という意味です。文字通り訳せば「肉の身」ですので、確かに「肝心の部分」という印象につながりますよね。アメリカの口語表現にはmeat and potatoes(物事の本質的な部分)というフレーズもあります。一方、matterを使った表現にthe root of the matter(問題の根底)があります。一つの表現から調べてみるのも楽しいですよね。

ところでmeatを「ロングマン現代英英辞典」(学習者用英英辞典)で調べると、”the flesh of animals and birds eaten as food”とあり、「食用」と書かれていることがわかります。また、「red meatは牛のような濃い色の肉なのに対し、white meatは鶏肉のような薄い色の肉を表す」とあり、これは日本語の「白身、赤身」と同じとらえ方です。なお、食用でない獣肉はflesh、魚肉はfish、家禽の肉はpoultry, fowlと言います。

「牛肉」でもう一つ。アメリカ中西部・ネブラスカ州のニックネームはBeef Stateで、毎年5月にはNational Beef Monthを迎えるそうです。農業が盛んな州であることがわかります。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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