INTERPRETATION

第309回 「いつか、やがて」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

down the road (いつか、やがて)
Somewhere down the road, I hope to become a counselor and help young people. (いつか私はカウンセラーになって、若い人たちを助けたいですね)。

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「いつか、やがて」を英語でdown the roadと言います。文字通り訳せば「道を下って」ですが、「今後、ゆくゆくは」という意味合いをこの3単語で表します。私などこのような表現に出会うたびに、「では、up the roadは?」「road以外にあるのかしら?」などと思いを馳せてしまいます。調べたところ、go up the roadは「通りを前進する」、It is up the roadは「まっすぐ行った先にある」との例文が出てきました。よって、up the roadに比ゆ的な意味はないようです。なお、down the …に関しては、down the line(そのうちに)がありました。こうして関連フレーズが見つかると、お宝発見気分になります(笑)。

さて、例文に出てくるcounselorですが、イギリス英語はcounsellorとlが2つになります。同様のルールはjewelry / jewelleryやtraveled / travelledなどがありますよね。

なお、counselは「相談、協議」のこと。coun(共に)とsel(集める)の組み合わせが転じて「相談する」という意味になりました。語源はラテン語です。類似単語にcouncil(協議会)があり、こちらもラテン語が語源で、coun(共に)とcil(呼ぶ)が元になり、「共に呼び合って集まる」となりました。どちらもよく似ていますが、私自身は「counsel(相談系)」「council(集まり系)」というざっくりとしたとらえ方で覚えるようにしています。

ところで先日「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリさんのエッセイを読みました。波乱万丈の体験をされたヤマザキさんの文章から、「多様な生き方をして良いのだ。人生は短い!」とつくづく感じました。みなさまも日々の充実を大切にお過ごしくださいね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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