INTERPRETATION

第294回 「観客を大いに喜ばせる」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

set the house on fire (観客を大いに喜ばせる)
The musical went on for more than 30 years and had set the house on fire.  (そのミュージカルは30年以上も続き、観客を大いに喜ばせてきました。)

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「観客を大いに喜ばせる」を英語でset the house on fireと言います。house on fireは火事などで「燃える家」を指しますが、このような比ゆ的な表現になったのが興味深いところです。他にもget along like a house on fire (意気投合する)、go like a house on fire(順調に運ぶ)などもあります。なお、上記例文は過日閉幕したNYブロードウェイの「オペラ座の怪人」を意識して作成しました。

ところでhouseと聞いて思い出すのが、幼少期に通ったイギリスの小学校です。houseは学年を超えた縦割りシステムのことで、そのハウスごとにスポーツ大会などを競うのです。初めて聞いたときは「なぜ『家』なの?」と思いましたが、語源はボーディングスクールにあるシステムだそうです。私が通っていた学校はイギリスのお城の名前(Balmoral, Windsor, Caernarvon, Holyrood)という4つのハウスがありました。校舎内の掲示板にそれぞれのハウスの功績が貼られており、学業やスポーツ、芸術など、生徒それぞれが得意分野で実力発揮できるようなシステムでした。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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