INTERPRETATION
第268回 「わらにもすがろうとする」
grasp at straws (わらにもすがろうとする)
I searched everywhere trying to find my papers, but I knew I was grasping at straws. (書類を見つけるべくすべての場所を探したのですが、わらにもすがろうとしていたのは自分でも明らかでした。)
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日本語の「わらにもすがろうとする」は英語でも同じ単語を用いて、grasp at strawsと言います。graspの代わりにclutchやcatchも使えます。なお、graspは通常、進行形です。一説によれば、この表現がお目見えしたのは16世紀のことで、イギリスの人文主義者で「ユートピア」を唱えたトマス・モアの”A Dialogue of Comfort against Tribulation”が初出とされています。
ところで「わら」は漢字では「藁」ですが、「常用外漢字」です。常用外漢字は日常で使うことはできますが、公文書では使わないとされているのですね。よって、新聞などで「まん延」「ひっ迫」など一部が平仮名になっているのは、常用外であるからです。ちょっとややこしいですよね。個人的には全て漢字にして読み仮名が付いている方が、雰囲気もつかめると思います。
ところでstrawは飲み物を飲む、あの「ストロー」という意味もあります。こちらの語源は、昔、ライ麦の茎の藁の部分を筒状にして飲み物用に使ったからだそうです。一方、イギリスの政治家にJack Straw氏(ブレア政権で外務大臣や内務大臣を歴任)がおられますが、名字のStrawは藁関連の職業を表すとされています。名字の由来も調べてみると面白いですよね。
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