INTERPRETATION

第265回 「矢継ぎ早の質問」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

a barrage of questions (矢継ぎ早の質問)
During my oral examination, I was faced with a barrage of questions from my professor. (口頭尋問の際、私は教授から矢継ぎ早の質問を受けました。)

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「矢継ぎ早の質問」を英語でa barrage of questionsと言います。barrageは軍事用語で「集中砲火」のこと。初出は20世紀初頭で元はフランス語のbarrer (せきとめる)から来ています。ちなみに「兵舎」のbarrackも同じくbarr-というスペルですが、こちらはスペイン語のbarraca(兵士の住居)が語源。スペイン語やフランス語は地理的にも近いのでしょうね。

さて、a barrage of …は「~の連発、~の集中」という意味で、他にもa barrage of criticismやa barrage of complaintなどがあります。どちらかと言うと質問や批判などに関する語が続きますよね。一方、「喝采」の場合は、a hurricane of applause (賞賛のあらし)、a thunder of applause(万雷の喝采)のように、気象用語が前に付きます。

ところで上記例文でご紹介したoral examination(口頭尋問)。私の元上司がオックスフォード大学で日本政治学の博士号を目指していた際、博士論文提出後の口頭尋問が非常に緊張したと述べていました。稀少分野でもある日本の派閥研究における博士号、しかもイギリス人で英語ネイティブにも関わらず、口頭尋問はコワかったのだそうです。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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