INTERPRETATION

第178回 「突き止める」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

nail down (突き止める)

Why did the sales figure drop? We need to nail down the cause..

(なぜ売上高が落ちたのだろう?原因を突き止めなければ。)

英語で「突き止める」をnail downと言います。動詞と前置詞から成り立つこのような表現を文法用語では「句動詞」と言います。実は放送通訳現場で私が一番苦労するのが句動詞。もとの動詞の意味と異なる語義になるため、全体の文脈から推測して訳すことがしばしあります。出てくるたびに辞書で調べて勉強です。

nailは「爪、くぎ」という名詞の他に、「くぎで打ちつける」「嘘を暴く」などの意味があります。今回ご紹介するnail downは決定や合意をこぎつけるというニュアンスだけでなく、無理やり人に「意向をはっきり言わせる」という語義もあります。皆さんもぜひ辞書の例文検索機能で調べて、様々な用法を身につけてください。

さて、紙版の「ジーニアス英和辞典」でnailを引くと、くぎの詳しい図が出ています。「頭部」はhead、「胴部」はshankとあり、ねじの構造も図解になっています。さらにインターネットで調べたところ、ねじには「おねじ(male screw)」と「めねじ(female screw)」なるものがあったのですね。知りませんでした!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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