INTERPRETATION

第140回 「成果を手にする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

reap the harvest of … (~の成果を手にする)

He has reaped the harvest of his internship at a major manufacturing company.

(彼は大手メーカーでのインターンシップの成果を手にしました。)

reap the harvest of … は「~の成果を手にする」という意味です。努力の末に有意義なことを得たというニュアンスで使われます。一方、このフレーズには「報いを受ける」という負の意味もあります。文脈に応じて訳し分けることが必要な表現です。

harvestとは「収穫」です。この語が誕生したのは10世紀ごろとされ、古期英語から来ています。ちなみにドイツ語の「秋」はHerbstですが、こちらも同じ語源です。英語の「秋」autumnはラテン語のautumnusから来ており、autumnはイギリスの場合、9月と10月を、アメリカでは9月から11月を指すそうです。学習者向け英和辞典にはこうした細かい違いが書かれており、読み物としても楽しめます。私も自宅ではもっぱら紙辞書と「遊んで」います。

ところで辞書でharvestを引いていたところ、harvestmanという語に遭遇しました。収穫をする人なのかと思いきや、「ザトウムシ」という昆虫なのだそうです。漢字で書くと「座頭虫」です。このharvestmanという虫はアメリカでDaddy Longlegs(あしながおじさん)というニックネームが付けられています。足がとても長いのが特長なのですね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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