INTERPRETATION

第124回 「とても無理」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

cry for the moon とても無理

You say you want to go to Saturn? That’s crying for the moon.

土星に行きたいって?それはとても無理だよ。

前回のこのコラムでは「そんなの簡単(as easy as 123)」をご紹介しました。今回は「とても無理」というフレーズです。英語ではcry for the moonと言います。ないものねだりをすることや途方もない野心を抱く様子を表しています。最近の表現で言うなら「ムリムリムリ!」という感じですね。・・・とここまで書いてふと思ったのが、「なぜ最近はムリを3回繰り返すか?」です。3という数字に何か意味があるのかもしれませんね。この「回数」についても調べたいと思っています。

本題に戻りましょう。cry for the moonはcryの代わりにask, reach, wishを使うこともできます。この表現が初めて使われたのは1800年代半ばで、ディケンズの小説”Bleak House(荒涼館)”にも出ているそうです。

さて、このコラムがアップされる2016年2月8日は暦の上では「新月」です。私の手帳には「大安、先勝」といった六曜のほかに満月と新月の表示があります。私は毎朝手帳を確認する際、月の形も調べています。満月の日になると私は夕方に月を確認するのですが、東の空に大きく輝く月の美しさは息をのむほどです。満月の翌朝の早朝勤務もまだ月明かりがありますので、朝焼け前の暗い夜道もいつもより安心して歩けるのですね。逆に新月の日は早朝も真っ暗です。自然の中で私たち人間は生かされているのだと改めて感じます。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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