INTERPRETATION

第84回 「断片を見る」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

look at the snapshot view 断片を見る

If you want to succeed, you should have a broader picture. Don’t just look at the snapshot view.

成功したいなら広範囲なとらえ方をしないと。断片を見るだけではだめですよ。

 snapshotは19世紀初めに生まれたことばでsnapとshotが組み合わさったものです。「スナップ写真」という意味ですが、snapshot自体は狩猟用語で、「不意に飛び立った鳥を銃で早撃ちすること」です。

 「スナップ写真」以外にもsnapshotは「概略、寸評」という意味があります。また、今回ご紹介するlook at the snapshot viewのように熟語表現としても使えます。他にもprovide a snapshot(寸評を提供する)、The thesis gives us a snapshot of life in the ancient times.(その論文は古代の生活に関する概略が述べられている)などといった用法も可能です。

 ところで皆さんは電子辞書、紙の辞書のどちらをお使いですか?私の場合、通訳現場ではもっぱら電子辞書を利用します。一方、自宅では断然「紙派」です。紙辞書の最大のお楽しみは何と言っても「調べた語の前後に出ていることばもついでに学べること」です。電子辞書の場合、調べたことば以降の語は検索結果に表れますが、アルファベット順でその「前」の単語は出てきませんよね。でも紙の辞書は全体を見渡せるのです。ちなみにsnapshotを引いたページにある語をざっと数えたところ、見開きで44個もありました。気分に応じて少し寄り道してみると「へえ、こういう言葉が世の中にはあるのか!」と楽しい発見ができます。

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柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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