INTERPRETATION

第56回 「ダブルパンチ」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

double whammy ダブルパンチ、二重苦

Our country is hit with the double whammy of a strong yen and a financial crisis.

我が国は円高と金融危機という、ダブルパンチに見舞われています。

 double whammyは「ダブルパンチ、二重苦」という意味です。もともとwhammyはアメリカのくだけた表現で、「のろい、魔力、不運な結末」という意味を持ちます。whamは擬音語で「ドカン、ドシン」という衝撃音を表しており、そこから派生したのがwhammyとされているようです。

 なお、日本語では「ダブルパンチ」と言いますが、英語ではdouble whammyかdouble hitを使います。「ダブルパンチを受ける」は例文にあるようにhitを用いるほか、have the double whammyまたはget the double whammyと表現します。

 ところで辞書でdoubleを調べてみると、実にたくさんの表現があります。たとえばdouble agent(二重スパイ)、double chin(二重あご)、double-cross(人を裏切る)double-edged sword(有利にも不利にもなるもの)などです。ひとつの表現をきっかけに、他の言い回しを辞書で調べてみてみましょう。きっと語彙力がアップするはずです。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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