INTERPRETATION

第233回 「肝心なときに」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

where the rubber meets the road (最も肝心なとき、正念場)
The lawyer has spent so much time and effort.  Tomorrow’s trial is where the rubber meets the road. (弁護士は多くの時間と努力を払ってきました。あすの裁判が正念場です。)

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辞書でrubberを引くと「ゴム」という語義が出てきますよね。でもこの文章のrubberは「タイヤ」の意味です。自動車のタイヤは走っている際、道路と接します。つまり、その「接した瞬間」のことをこのフレーズでは「問題や苦しいことに接した瞬間」と象徴的にとらえているのですね。この表現は”when/where the rubber meets the road” または”when/where the rubber hits the road”などのパターンがあります。

さて、子どもの頃、私はイギリスの小学校に通っていたのですが、文房具の英語が私には新鮮でした。たとえば「消しゴム」はrubber、「ボールペン」はbiro、「修正液」はTipp-Ex(商品名より)などが挙げられます。中でも教室内で使用頻度の多かったのがBlu Tackという粘着ゴム。セロテープではなく、何度でも貼ってはがせるBlu Tack(発音は「ブルー・タック」)は本当に便利でした。ようやく最近になって日本でも通販や東急ハンズで買えるようになり、ありがたい限りです。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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