INTERPRETATION

第29回 「事実を明確にする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

set the record straight 事実を明確にする

Just to set the record straight, we arrived at 10 p.m., not 10 a.m.

念のため事実をはっきりさせておくと、私たちが到着したのは夜の10時で、午前10時ではありません。

 recordは「記録」という意味で、set the recordは「記録を更新する」です。たとえばスポーツ選手が記録を塗り替えた時などに使います。これにstraight(まっすぐな)を入れてset the record straightにすると「事実を明確にする、はっきりさせる」となります。相手の誤解を解くときに使われる表現です。この表現が生まれたのは1900年代前半とされています。

 なお、日本語で「白黒つける」という言い方があります。これは英語でも似た表現があり、think in black-and-white terms(白か黒かの観点から考える)というフレーズが存在します。こちらは17世紀初頭に誕生した表現です。

 最近のオンライン英英辞典には、その単語がいつごろ生まれたかも表記されています。たとえばdictionary.comというサイトでは語義の最後にoriginという見出しがあり、各単語やフレーズの語源および由来が出ています。英和辞典だけでなく、英英辞典も引いてみると発見があるのですよね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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