INTERPRETATION

第222回 「ぴったりの例」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

a case in point (ぴったりの例) 
To give you a better picture, let me give you a case in point. (もう少しわかりやすくするために、ぴったりの例をご説明しましょう。)

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学生時代の私は英語力を上げるために単語集や表現集などの本を買っていました。最初は意気込んで始めるのですが、なぜか途中で挫折。最終ページまで行きついたことは一度もありません。「ま、いっか~」とのんきに思えれば良かったのですが、性格的に「挫折→自分の意志が弱い→悪いのは自分」という感じで悪循環スパイラルに陥っていたのですね。精神衛生上、良いはずがありません。

そうした試行錯誤を経て行き着いたのが、「自分の好きな媒体物から学ぶ」ということでした。今回ご紹介する表現も、BBCの映画関連番組”Talking Movies”で出てきたものです。勉強のためというよりも、好きな映画の話題から未知の表現をメモして調べた方が私の場合、強烈に記憶されます。今はもっぱらこうした勉強法です。

case in pointは「ぴったりの例、好例」です。case (事例)とin point(適切な)が組み合わさった表現です。ところで皆さんは普段電子辞書をお使いですか?電子辞書は串刺し検索ができますので、ぜひcaseを複数の辞書で引き比べてみてください。「事例」を一番目に掲げている辞書と「箱、ケース」を最初に掲載している辞書があります。これは編集者のスタンスの違い。こうした微妙な差を探し出すのも英語学習の醍醐味です。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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