INTERPRETATION

第209回 「大西洋の向こうで」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

across the pond (大西洋の向こうで) 
Since we are here in the UK, why not call our friend across the pond and surprise her? (せっかくイギリスにいるのだから、大西洋の向こうにいる友人に電話して驚かせてみない?)

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「池」は英語でpondですが、across the pondと言った場合、「大西洋の向こう」という意味になります。この表現に私が初めて出会ったのは、BBC Radio 4で放送されていた”Today”というラジオ番組においてでした。ロンドンのスタジオから、ワシントンにいる特派員に現地の様子を尋ねていたときのことです。イギリスからすれば、across the pondは「アメリカ」のことになりますよね。

英和辞典でpondを引くと、the Big Pondやthe herring pondなども出ており、いずれも「大西洋」のことです。では「太平洋」をこのようにユーモラスに表すことはできるのでしょうか?英語を学ぶ際、さらに想像力を働かせて色々調べてみるのも楽しいものです。

ということで、早速電子辞書やネットで検索したところ、Big Drinkという語が出てきました。ただし、見出しに「俗」とありますので、かなりくだけた表現と言えるでしょう。

ところでイギリスの通貨は日本語で「ポンド」と発音しますが、スペルはpoundです。そもそも「パウンドケーキ(pound cake)」はあるのに、通貨だとなぜ「ポンド」なのでしょう?気になる方はぜひ調べてみてください。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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