INTERPRETATION
第183回 「前言を取り消す」
eat one’s words(前言を取り消す)
After receiving criticisms, he ate his words and changed the statement. (批判を受けた後、彼は前言を取り消し、声明文を変えました。)
「前言を取り消す」は英語でeat one’s wordsと言います。文字通り訳せば「言葉を食べる」ですので、それなりの雰囲気が出ている表現です。
最近このフレーズが出てきたのは、米ロ首脳会談後のことでした。「ロシアが2016年の選挙に介入したとは思えない」とトランプ大統領は記者会見で述べたものの、アメリカ国内で猛反発が起き、前言を撤回したのです。
ちなみに「前言を取り消す」は他にも言い回しがあります。retract a statement、withdraw one’s statementなどはオーソドックスです。一方、eat humble pie(自分の非を認めて平謝りに謝る)、pull in one’s horns(前言を取り消す)などもあります。
ところでwordはラテン語のverbum(言葉)から来ており、ドイツ語のWortも同じ語源です。wordには「言葉」の他に「うわさ、約束、スローガン」などの意味もあります。大文字のthe Wordは「聖書、神の言葉」です。6月に行われたサッカー・ワールドカップのニュースではhave the last wordというフレーズも出てきました。これは「決勝点をあげる」です。
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