第339回 インフル?さあ、どうする?
先週木曜日に大学の授業が終わりました。これから長い春休みが始まります。ついこの間、春学期が始まったかと思いきや、あっという間の1年というのが毎年この時期になると実感することです。
その安ど感があったためなのか、木曜日の午後あたりから喉の調子がおかしくなりました。幸い、午後の授業は切り抜けられたのですが、夕方までに咳も出るようになり、嫌な予感がします。「でもまあ今学期を無事終えられたのだし、まずはめでたしめでたし」と思ったのも束の間、金曜日に目が覚めると体調がいつもとは明らかに違っていました。
それでも午前中は予定の原稿を仕上げて納品。いつもであれば午後にスポーツクラブの大好きなレッスンが控えています。しかし、土曜日には早朝の放送通訳シフトが入っていますので、万が一インフルエンザであれば外出禁止となってしまいます。エージェントにその旨を連絡するのであれば、早いに越したことはありません。そこでスポーツクラブは断念し、近所の内科へ出かけました。
ホームページで受付時間を確認していざ赴くと、なんとドアには「受付終了」の札が。「え?どうして?」と思いつつ扉を開けて尋ねると、看護師さん曰く、その日は急な往診が入ってしまったため、早めの受付終了とのことでした。そのころまでには悪寒もしてかなり「マズイ」状態に私の方もなっていましたので、ダメモトで「HPを見て確認してきたのですが・・・」とほぼ懇願状態。「午後3時からまた受付しますので」と言われはしたのですが、午前中にインフル診断をしていただかないと、エージェントの連絡が後手に回ってしまいます。仕方がないので、その病院を後にし、別の内科へ向かいました。
幸いインフルエンザではなく、扁桃炎とのこと。インフルであれば急な高熱や嘔吐があるのが通常のパターンということでした。薬を処方されて自宅へ戻りました。
実は待ち時間の間、私は手元のメモ用紙に「インフルだった場合の行動計画」を書き連ねていました。まずはエージェントに連絡してピンチヒッターを依頼することが最優先事項で、次は2日後に予定していた家族日帰りスキーをどうするかでした。そこにも「日曜日まで治ったとき」と「日曜日まで治らなかったとき」のパターンをそれぞれ書き出し、シミュレーションをしておきました。
このようにして最悪の事態を想定しつつ、今この瞬間、自分は何をすべきかを鳥瞰図的にとらえられると、大変な状況でも慌てずにすむように思います。幸い声を出すことはできていましたし、喉が痛いとは言え、かすれ声でもありません。あとは土曜の放送通訳までとにかく声を通常通り出せれば何とかなります。
フリーランスで仕事をしていると、「体調管理=自己管理=仕事のうち」という思いが非常に強くなります。本番まで自分の体をケアし、当日ベストのコンディションで臨むこともお給料のうちだからです。自己管理がなっていなければ、それは社会的信用にも影響します。
結局、病院から帰宅後に私がやったこと。それは何よりも「休む」ということでした。眠れるか否かは関係ありません。とにかく体を横たえてエネルギーを温存し、疲れをそれ以上増やさないことが最優先課題となりました。そのおかげもあってか、土曜日も何とか3時間の放送通訳を終えることができたのでした。
あの木曜日午後の体調異変に至るまで、取り立てて体に負担となるようなことをした記憶はありません。規則正しく生活をしてきたつもりでした。それでもダウンするというのを免れないのが人間なのでしょうね。機械ではないわけですので、さもありなんと思います。だからこそより一層体調管理には気を付けたいと思ったのでした。
・・・ちなみに早朝シフトを無事終えてホッとしたからなのか、土曜日夜は背中の痛みと片頭痛で一睡もできず、食べることの大好きな日頃の自分からは想像できないほど、食欲不振となりました。相変わらず熱はありませんので、インフルエンザではなさそうです。日帰りスキーに行けなかったのは残念でしたが、日中ひたすら横になっていたおかげで、夜となった今、体力が復活しているのがわかります。これでまた明日から意欲をもって仕事をしていきたいと思います。
【今週の一冊】
「イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方:伝統からモダンまで、知っておきたい英国菓子104選」 羽根則子著、誠文堂新光社、2015年
1月上旬からケーブルテレビでThe Great British Bake Off (邦題「ブリティッシュ・ベイクオフ」)というイギリスの勝ち抜き戦クッキング番組が始まっています。数年前からイギリスで大ヒットを続けている番組です。毎週出場者がお題に挑戦し、審査員の判定を経て勝ち抜いていくという番組です。以前から評判は聞いており、ぜひとも日本で放映されればと願っていたところ、Dlifeというチャンネルで始まりました。二か国語放送ですので、英語がニガテな人も大いに楽しめる60分間です。
ところで私は幼少期をイギリスで過ごしました。現地の女子校での最初の調理実習はスコーンです。初回からいきなりお菓子というのは私にとって新鮮でしたね。日本の学校であればおかずやごはん系のものを作ると聞いていたからです。その後の実習でもケーキが多く、ヨークシャー・プディングなどのイギリス料理を習いました。懐かしい思い出です。
今回ご紹介する本は、イギリスのお菓子を大解剖した一冊です。アルファベット順に紹介されており、由来や各お菓子に関するストーリーも満載です。もちろん作り方も出ており、シンプルに説明されているため誰でもチャレンジできます。ほとんど4工程ぐらいですので、時間がなくてもお菓子作りが得意でなくても大丈夫です。
私は「ベイクオフ」の番組を見るたびにこの本を参照し、自分でも作っています。けれどもお菓子作りというのは英語学習と同じです。何度も練習することで上達するのですよね。英語を学んで使えるようになり幸せになることと同様、繰り返し作ることでよりおいしいものが出来上がり嬉しくなるというプロセスを大切にしたいと思います。
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