第663回 「やめたこと」「始めたこと」2024年ver.
今年もあとわずかとなりました。本コラムは月4回の連載、5週目はお休みです。よって、本年分では今日が最後となり、次回は年明けとなります。個人的には年々、時の流れがあまりにも早すぎて年末年始という実感がありません。先日、スーパーで恵方巻のチラシを見た際にもびっくりしたほどです!
というわけで、今日は2024年に「意を決して(?)やめたこと」「新たに始めたこと」を振り返ります。
(1)やめたこと
(i) SNS
「今年やめたことナンバーワン」を通販の「売上ナンバーワン!」風に声を大にして言うならば、なんといってもSNSです!!数年前にTwitterを開始。当初はまさにつぶやくだけでしたが、やがてフォロアーの動向をボーッと眺めることに時間がどんどんとられるようになったのです。そこであらかじめ「終了宣言」して退会。本当に接点を持ち続けたい友人とはメールや他の手段があります。まったく不自由なく、日々を送っています。
(ii) 頻繁なるメールチェック
在宅ワーク中も移動中も職場でも、とにかく隙あらばメールをチェックしていました。「来る→返信」をテニスのラリーのごとくすることで、懸案材料を失くす状態を維持したいと思っていたのです。でも、朝一番にメールを開けて返信し始めると、それだけで1時間以上が費やされます。せっかくの貴重な朝のクリアなマインド・タイムをそうしてしまうのはもったいないということで、時間を決めました。今は「午前・午後・夕方」の一日3回に限定しています。
(iii) 気乗りしない人間関係
気乗りしないお付き合い・義務感による人間関係はやめることにしました。かつては嫌われるのが怖くて「ノー」が言えなかったのですよね。でもアドラー心理学の本を読んだ結果、「本当に大切な友人」こそ「とことん大切にすべきである」との思いに至りました。大切な人たちに自分のエネルギーや愛情を向けたい。そのためには自分のスタミナ温存が第一です。不毛な人間関係を見直すことで、人生の大切なことが改めて見えてきました。
(iv) 「かさぶたはがし」
たとえば道で転んで擦りむいたとしましょう。その瞬間は痛いですよね。でも時間が経てばかさぶたができて、やがていつの間にかそれがポロッととれる。そこには再生した皮膚が現れます。心の傷も同じだと私は思うのです。なのに、辛いことを頭の中で再生したり、ネットで検索したりしてしまえば、余計気持ちが落ち込みます。これを私は「かさぶたはがし」と命名。せっかく良くなるべくかさぶたが頑張ってくれている間は、傷を見ても仕方ありません。自分を信じて回復を待つ。あえて「かさぶたはがし」をしないことにしました。
(v) 過去への執着
やましたひでこさんの断捨離にヒントを得て、不要なモノや卒業すべきアイテムを処分しました。いつまでもモノに執着するというのは、過去に引っ張られていることでもあるのですよね。着心地の悪い服や使い勝手がイマイチの物しかり。過去へのしがみつきを手放すことで、新しい自分を探す旅を堪能しています。
(2)始めたこと
(i) 読書
まだネットが無かった新入社員時代。「1年に100冊読む!」と宣言して友人と競い合ったことがありました。隙間時間を見つけてはせっせと読書。おかげで100冊完読したのでした。でも、昨今のネット誘惑は私にとって甚だし。めっきり本を読まなくなったのです。このままではいけない!ということで、起床後と就寝前は読書タイムに設定。紙の本がもたらす至福の時は何物にも代えがたいです。
(ii) 音読
私の場合、英日同通の業務頻度と比べると、日英同通は少ない状況。ゆえに英語変換は訓練しないとすぐになまってしまいます。そこで始めたのが英字新聞の音読。朝食後、すぐにThe Japan News(読売新聞英字版)を開き、読売の社説英訳を音読するようになりました。朝早いうちに「やるべきこと」を実行できると、達成感大です。
(iii) 宅トレ
ひょんなことから動画サイトで自宅筋トレを見つけて以来、はまっています。ほんの数分でも密度の濃いエクササイズがたくさん。一週間分の筋トレ部位別メニューを自分で作り、それに沿って体を動かしています。おかげで体調がとても良くなりました。思い立ったらすぐできるのが動画の良さです。
(iv) 「まごわやさしい」
健やかな体で良い仕事をする上で大切なこと。それは「睡眠・運動・栄養」であると私は思っています。「まごわやさしい」は日本でずっと唱えられている7つの食材のこと。「豆・ごま・わかめ海藻類・野菜・魚・しいたけキノコ類・イモ炭水化物」の頭文字から来ています。一日の中でこれらを摂取することを考えながら食生活を送っています。
(v) 就寝前儀式
かつては帰宅後もテレビやラジオのニュースを視聴していました。時事問題に疎くならないようにするためです。でも、ずっとそうしてしまうと、心も体も休まらないと痛感。よって、帰宅後はあえて静かな環境を意識し、耳は休ませるようにしています。入浴後はストレッチや読書などをして心をリラックス。後は小さなボリュームで快眠BGMをタイマーセットして床につきます。おかげで深い眠りを得られるようになりました。
以上、「やめたこと」「始めたこと」2024年ver.をお送りしました。もちろん、今後も試行錯誤は続ける予定。今年もご愛読ありがとうございました。みなさまもどうぞ良いお年をお迎えくださいね!
(2024年12月24日)
【今週の一冊】
「詳説世界史 改訂版」木村靖二他著、山川出版社、2016年
「山川の世界史」と聞いて懐かしく思い出す方も多いのではないでしょうか?私自身、高校時代に山川の日本史と世界史教科書を使いました。私は日本史がニガテだったため、世界史を選択。あのころと変わらぬ青表紙の世界史教科書です。
今回、本書を選んだことには理由があります。放送通訳現場では世界の話題がたくさん出てくるからです。ニュースに出てくる国のことを知るためには、歴史を紐解く必要があります。それを簡潔かつ網羅的に学べるのが高校の教科書です。
改めて読み直してみると、実によく構成されていることがわかります。古代史から始まり、中世、近現代へと進むため、頭の中に入りやすいのです。高校時代の私には難易語だったものも、大人になり理解力が進んでいたことも嬉しい再発見でした。一方、巻末の索引も充実。ニュースに出てくる国名や固有名詞を調べて該当ページをめくれば、知識を深めることができます。
今回ご紹介するのは2016年版であり、さらに新しい版が出ています。最新版を入手して、さらに図録も併せれば、まさに鬼に金棒でしょう。
・・・ただし驚いたこと。それは私にとって「つい最近の出来事」がもはや教科書材料になっていたこと。2001年の9・11事件などその最たる例です。でも考えてみたら、もう20年以上も経っていたのですよね。
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