INTERPRETATION
第11回 社会制度は正義に、思考は真実に基づくべし
「社会制度は正義に、思考は真実に基づくべし」20世紀のアメリカの代表的な政治・道徳の哲学者ジョン・ロールズ(John Rawls)の言葉を書き留とめてあったノートを見つけました。
現在の福島第一原子力発電所の問題ひとつとっても、正義や真実がどこにあるのかと思わずにはいられません。国策という大義名分の下、いつのまにか電力供給の多くを原子力に依存することを決定し、原子力発電推進派が原子力安全・保安院管轄の下、同時にその安全確保をも任されています。一部では核爆発ではなかったかと指摘される爆発が起きても、水素や水蒸気の爆発であったと曖昧な発表を続けました。炉心が溶け、「メルトダウン」という最悪の事態が起きても、その言葉はタブーとされ「溶解」や「崩壊」などという表現が使用されています。事態を「収束させる」という言葉を使いますが、「収束」とは何を意味するのでしょう。英語に訳しようのない表現のひとつです。これは、そもそも自分たちの文字を持たない私たちが隣国の「漢字」を安易に借用しているからではないかと思います。単体で意味を成す漢字と漢字の組み合わせは真実をごまかすのに都合が良い言葉と言ってはいいすぎかもしれませんが、真意を伝えにくい、伝わりにくいことには違いありません。
今回の原発事故は福島や日本だけの問題ではありません。人類全体に対する大きな過ちであると思います。申し訳ないという謙虚な気持ちで他国の英知を借りなければなりません。現実を直視して初めて解決への道が開けるのだと思います。
原 不二子
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