INTERPRETATION
第8回 「読み書き」から「聴いて話をする」ことへ
日本語は読み書きで学ぶ言語である一方、英語は相手の言うことを聴いてそれに応え、話をする言語です。昨今、外国へ行くときだけではなく、国内でも外国人と接する機会が増えています。「読み書き」主体のコミュニケーションから耳と口を使う「聴いて話しをする」コミュニケーションへの切り替えがますます必要になっていると思います。
63年間、衆議院議員を務めた私の祖父・尾崎行雄は全12巻からなる尾崎咢堂全集を残しましたが、その最初に、彼が17歳のときに手にした「公開演説法」について掲載されています。幼いとき父親に連れて行かれた死刑場で「問答無用。切り捨てごめん」と有無を言わさず刑を執行される不条理な世の中を変えたいという想いがその強い動機になったのかもしれません。権力がものをいう封建時代から、対話により物事を進める民主的な社会への移行に際し、尾崎が最も重視したのが演説法でした。尾崎は自らそれを身に付け、その普及に尽力しました。現在ではあたりまえのことでも、「書物」が尊ばれ、「言葉」は軽んじられていた当時の日本では難しいことだったのです。
コミュニケーションの必要性は、尾崎の没後50余年が経つ現代においても変わりありません。特に、外国人と一緒に仕事をする現代の職場では、自分の意見をうまく伝えることがリーダーとしての重要なポイントになります。それは、英語でのみならず、通訳を介して日本語で話す時にも当てはまります。コミュニケーションの得手・不得手が、自身の評価に影響するともなれば疎かにできない問題のひとつであると思います。
原 不二子
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