INTERPRETATION

第40回 人類の恋人:ダライ・ラマ法王

原不二子

Training Global Communicators

 通訳という仕事をしていてとびっきり嬉しいことは、思いもかけないお仕事をいただくことです。

今回、来日中のダライ・ラマ法王14世とノーベル生理学・医学賞受賞者である利根川進博士による「癒やしに関する古代と現代の知恵 身体と心のバランス」という対話集会が開催され、達観したおふたりが、共に真理を探究する機会にふれることになりました。

『感情やこころの動きは単に神経細胞と関連した分子の働きによるものである』という科学的な思考と『こころのありかたは、己の行為の結果であり、また、こころのありかたが己の行為をも定める』との因果応報論。

 人類の幸せを願ってやまない法王のメッセージは、1人ひとりが平静心をもち、他人を思いやる気持ちを育めば、本人が健康になるばかりではなく世界は平和になる、という明快なものでした。  

原 不二子

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原不二子

上智大学外国語学部国際関係史研究科博士課程修了。 祖父は「憲政の父」と呼ばれた尾崎行雄、母は「難民を助ける会」会長の相馬雪香。母の薫陶により幼い頃からバイリンガルで育ち、21歳の時MRAスイス大会で同時通訳デビュー。G7サミット、アフガニスタン復興会議、世界水フォーラムなど数多くの国際会議を担当。AIIC(国際会議通訳者協会)認定通訳者で、スイスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、ILO総会の通訳を務め、最近では、名古屋における生物多様性(COP/MOP)会議、APEC女性リーダー会議、アジア太平洋諸国参謀総長会議、ユニバーサル・デザイン(IAUD)会議、野村生涯教育センター国際フォーラム等の通訳を務めている。

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