INTERPRETATION

第32回 英語文化との隔たり

原不二子

Training Global Communicators

英語文化との隔たりをもっとも感じるのは、カジュアルな会話や手紙のやりとりかもしれません。英語では、文語体の文字や言葉と比べると繊細なニュアンスがうまく伝えられないことが多くあります。

例えば、折角お見舞いの手紙を出したのに、手書きの文字が汚かったがために郵便局側で宛名が判読出来ず、「住所不明」で戻ってきてしまったことに対して、「I was most unhappy.」との文面。あなたならどう訳しますか?「不愉快千万だった」、「実に不愉快でした」としますか?それとも、さらりと「残念ながら―」としますか?ちなみに、これは男性から男性へ宛てた手紙です。

私も人を褒めたり、諭したりする場合、どちらかというと英語で書くほうが気持ちを素直に伝えられるような気がします。 

原 不二子

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原不二子

上智大学外国語学部国際関係史研究科博士課程修了。 祖父は「憲政の父」と呼ばれた尾崎行雄、母は「難民を助ける会」会長の相馬雪香。母の薫陶により幼い頃からバイリンガルで育ち、21歳の時MRAスイス大会で同時通訳デビュー。G7サミット、アフガニスタン復興会議、世界水フォーラムなど数多くの国際会議を担当。AIIC(国際会議通訳者協会)認定通訳者で、スイスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、ILO総会の通訳を務め、最近では、名古屋における生物多様性(COP/MOP)会議、APEC女性リーダー会議、アジア太平洋諸国参謀総長会議、ユニバーサル・デザイン(IAUD)会議、野村生涯教育センター国際フォーラム等の通訳を務めている。

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