INTERPRETATION
第27回 「Accountability」 について
当初、この聞き慣れない英語にとまどい、「responsibility」とどのように異なるかが問題になりました。私が「アカウンタビリティ」に最初に遭遇したのは、オランダ人知識人のカレル・ウォルフレン氏の通訳をした時でした。その際、「説明責任」と訳すよう言われたのですが、日本語でも聞き慣れない言葉だと思ったことを覚えています。先ほど、あらためて古い辞書等も探してみましたが、大辞林を含めその言葉に関する記述はありません。実態のないところに言葉は存在しないのです。
「責任」は個人の言動に対する責任を差す一方、「アカウンタビリティ」は、公人や組織、機関の 採択した政策や方針に基づいて実施された行為の結果に対する責任を意味します。「説明責任」が問われるようになった当初、「事前に説明したから責任を果たした」という趣旨の発言も少なくはありませんでした。最近になって、ようやく法的な制裁や罰則があって然るべきであることが理解されるようになりましたが、福島第一原子力発電所の災害に関連付けて考えると、あれだけの未曾有の大事故を起こしたにも関わらずその責任が全く取られてもいなければ、問われてさえもないのが現状です。
実態のないところに言葉だけが浮いている感じが否めません。
原 不二子
-
国際舞台で役立つ知識・表現を学ぼう!
-
オリンピック通訳
-
英語のツボ
-
教えて!通訳のこと
-
【人気会議通訳者が教える】Tennine Academy
-
通訳者インタビュー
-
通訳者のひよこたちへ
-
ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!
-
通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座
-
通訳者になるには
-
Training Global Communicators
-
忙しい人のためのビジネス英語道場
-
やりなおし!英語道場
-
Written from the mitten
-
通訳者のたまごたちへ
-
通訳美人道
-
マリコがゆく
-
通訳者に求められるマナー
-
通訳現場おもしろエピソード
-
すぐ使える英語表現
-
Bazinga!
-
通訳式TOEIC勉強法
-
American Culture and Globalization
-
中国語通訳者・翻訳者インタビュー
-
多言語通訳者・翻訳者インタビュー