INTERPRETATION

第23回 良い世の中を祈って。

原不二子

Training Global Communicators

今年も余すところ数日となりました。

東日本大震災、福島原子力発電所の起きてはならない事故のあった忘れられない1年でした。被災者の方たちには、これから寒い冬が訪れます。

今年はまた改めて、何のために生きているのかを自らに問う年でもありました。いつ何が起こってもおかしくない時代に生きる1人として、毎日を悔いのないよう過ごそうと心に誓いました。

数日前、ロシアでの選挙不正に対して何万人もの民衆がデモ行動を起こしたことが報道されていましたが、マイクを向けられた若いロシア人女性が語った言葉が印象的だったので書き留めました。

「私は、プーチン首相に反対しているのではありません。ロシア政府に反対しているのでもありません。でも、『何かが変わらなければならない』という心の声に従ってここに出てきたのです。」

私も1人ひとりが良心に従って行動したら、世の中は必ず良い方向に向かうと信じています。通訳者として1回1回の仕事に与えられた機会を無駄にせず、仕事を通して世の中を少しでも良いほうに導いていきたいと思っています。 

原 不二子

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原不二子

上智大学外国語学部国際関係史研究科博士課程修了。 祖父は「憲政の父」と呼ばれた尾崎行雄、母は「難民を助ける会」会長の相馬雪香。母の薫陶により幼い頃からバイリンガルで育ち、21歳の時MRAスイス大会で同時通訳デビュー。G7サミット、アフガニスタン復興会議、世界水フォーラムなど数多くの国際会議を担当。AIIC(国際会議通訳者協会)認定通訳者で、スイスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、ILO総会の通訳を務め、最近では、名古屋における生物多様性(COP/MOP)会議、APEC女性リーダー会議、アジア太平洋諸国参謀総長会議、ユニバーサル・デザイン(IAUD)会議、野村生涯教育センター国際フォーラム等の通訳を務めている。

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