通訳現場おもしろエピソード
どんなに準備万端で臨んでも、通訳現場にハプニングはつきもの。このコーナーでは、通訳現場で実際に起きたおもしろエピソードをご紹介します。
エピソード
外国人が日本語でスピーチしたものを私が日本語にしてしまったのを自分で気付かず、硬い雰囲気のオープニングが突然爆笑になったときのこと。まだ笑われても気がつかず、一人ぽかっとしていました。アクセントの強い日本語でついつい英語のような気になってしまって、また日本語に言い直してしまったのです。
駆け出しの頃、先輩通訳と一緒に入った仮設ブースで突然、台(テーブル)が崩れた。大きな音とともに資料もマイクも全部床に落ちたのだが、通訳をしていた先輩は動じることなくすぐにマイクを拾って同通を続けた。「プロだ!」と感銘を受けた。
電話会議での懸念事項の議論で、a bombと聞こえたので、いきなり爆発の話が出てきたと思って「爆弾です」と訳したら、お恥ずかしながらそれはオボン、お盆休みのこと。お盆休みがあり作業日数が足りなくなるという話だったのです。同じ部屋の皆さんにも、回線の向こうから参加されていた大勢のお客様からも爆笑され、つられて自分も笑ってしまったので、しばらくして皆さんの笑い声がおさまって自分でも気を取り直した頃に、議論は再開しました。
日本語の単語そのものや固有名詞が英語で話される時、英語では抑揚が変化して全くの別物に聞こえることが多々あり、苦労することが時々あります。
昔、同行IRの仕事の時、ホテルのロビーで外国人と待ち合わせだったが別の外国人と間違って車に乗ってしまった。その間違えた人もIRで来日し、通訳者と待ち合わせをしていたという状況だったのでお互い大笑い。すぐにホテルに戻り、待ち合わせ相手と交換した
ペアで社内会議を訳していた時のことですが、その会社の同通ブースはスライドがとても見えにくい位置にあり、立ち上がってブース内の右側の窓に顔をつけないと、プレゼンのスライドが見えませんでした。
手元資料も準備されなかったため、二人で順番に席を移動しながらなんとか訳していたのですが、しばらく続けているうちにヘッドセットのコードが混線し、二人ともコードにひっかかるようになり、ブース内は混乱の極みと化していきました。
ついに、身動きがとれなくなったため自分の番が終わった後に、コードを解こうと使っていない(と思った)ヘッドセットのコンセントを思いっきり引っこ抜いたところ、通訳をしていたパートナーのコンセントを誤って抜いてしまったらしく、通訳が急に途切れたため、出席者が一斉にこちらを向いて、コードにグルグル巻きになって必死の形相で右往左往している二人の姿を見られてしまいました。。。うその様な本当の話です。
こんな単語を覚えても今後一生使うことはないだろうと思うような単語に出会うと、1ヶ月以内、全く思いもよらないシチュエーションでその単語を使うことになったということが、何度もあります。(通訳をするうえで、いかなる経験も無駄にならないと聞いたことがありますが、本当にそうだと思います)
同時通訳ブースがホールの後ろではなく横に設けられていた会場、つまり観客から通訳者が丸見えの会場で、日本人スピーカーが予定の演題とは全く関係なく、自分がかつて打ち込んでいた陸上競技の話を始めた。円盤投げにやり投げといったなじみの薄い競技名が続出し、突然のことに言葉が浮かばずジェスチャーで(ブースの中で)やり投げや砲丸投げのマネをして思い出そうとしていたら、会場の英語圏参加者から大爆笑が起こってしまった。皆私を指指して笑っていた。見られていることを忘れていた。
石油精製所の現場視察の際、安全装備が必要だと言われ、ゴーグルや安全靴までは良かったが、耳栓をするように言われた。それでは聞こえないから通訳できないと抵抗したが、安全規則だからと言われ、耳栓をして通訳をしなければならなかったこと。
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