第129回 数字に強くなるために その3
皆さん、こんにちは。先週のイギリスはかなり寒さも和らぎ、日照時間が長くなるのと共に春も近いと感じられるようになりました。
さて、今回も「数字と共に使われる表現」を取り上げます。数字が使われている文章の文脈を掴むために、頻出表現をカテゴリー別に学ぶと効果的です。今回は「減少」の意で出てくる表現を学びましょう。
「減少」というと日本語ではどんな類語が思い浮かびますか?
「減る、減らす、落ち込む、先細る、下がる、縮む、下向く、引き下げる」などの大和言葉のほか、「縮小、低減、下降、減量、低下、下落、減退、削減、減額」などがあります。またその程度が激しい・または突然だと「急減、暴落、落下、激減、急落」などが使われます。徐々に減る場合は、「微減、漸減」、半分に減る場合は「半減」など。
次に、英語で考えてみましょう。
もっとも一般的に使われるのがdecrease。給料や価格、速度、人口、重量など色々な場合に使えます。increaseと同じく動詞・名詞ではアクセントの位置が異なるので気を付けましょう。on the decrease(減少中、減りつつある)という成句もよく使われます。
他にも文脈によって、decline, contract, reduce, shrink, fall, lessen, go down, downturn, abateなどが使われます。
「急減・急落」だと、drop, plunge, plummet, crash, collapse, nose-dive, tumble, sinkなど。
例えば今年のビジネスニュースでこういう見出しがありました。
Bitcoin CRASH: Cryptocurrency PLUMMETS 60 per cent in MONTH as market continues to tumble
仮想通貨市場の暴落が続く中、ビットコインの価格が1カ月で6割も暴落したというニュースですが、ここだけでもcrash, plummet, tumbleの3つが使われています。
一方、「徐々に減る」は、decrease graduallyや品詞を変えてlead to a gradual decreaseのようにも言えますが、peter out, taper offなどの句動詞やon the waneなどの成句も覚えておくと便利です。
例:Consumer spending power is still on the wane. (消費者の購買力は依然として低下傾向にあり)この文脈では、CPI(消費者物価指数)や為替レート、インフレ率などの数値が前後で出るかもしれません。
「半減する」はdecrease by half。
以上、数字が出る文脈に強くなるために「減少」の類語を日本語と英語の両方で紹介しました。お役に立てば幸いです。
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