第123回 economic, economy, economical…などecon-で始まる語
皆さん、こんにちは。本コラムを書き始めて123回。数字が1、2、3と並んでいてなんだか嬉しく思いました。いつもお読みくださってありがとうございます。
さて、今回は表題にあるようなecon-で始まる語について取り上げたいと思います。英語でなんとなく理解できても英訳の際に正しく使えるかどうかは別レベル。理解を深めて、使えるようになるといいですね。
1.econ: アメリカの話し言葉ではecon(「イーコン」と発音)は「経済学」のこと。大学で最初に履修する経済学をECON101(「イーコン・ワノーワン」と発音、ミクロ経済:microeconomics)、ECON102(「イーコン・ワノートゥー」と発音、マクロ経済:macroeconomics)と言います。アクセントは第1音節。
2.economy: 「経済」という訳語はご存知でしょうが、「(経済)国」という意味では使いこなせるでしょうか? 例えば「新興国」ならan emerging economy (複:emerging economies)、「経済大国トップ10」ならThe world’s 10 biggest economiesなどと表現できます。
またeconomyには「節約」という意味もあります。自動車関係の会議では「燃費」が話題になることもよくありますが、gas mileage(米)やfuel efficiency以外にfuel economyも使えます。
いずれにしてもアクセントは第2音節。
3.economicとeconomical: どちらも形容詞ですが、前者は「経済(上)の」でeconomic growth(経済成長)やeconomic reform(経済改革)などの文脈で使われるのに対し、後者は「to make effective use of money’ or ‘not wasteful or extravagant’(無駄使いをしないで)経済的な、節約になる」などの意味で使われます。an economical car “(維持費があまりかからない)経済的なクルマ”とモノにも使われれば、My mother is economical by nature(母は生まれつき倹約家だ)のように人の形容にも使われます(同義語:frugal, thrifty)。
いずれにしてもアクセントは第3音節。
4.economically: economicとeconomicalは意味が違うけれども、副詞形にするとどちらもeconomically。an economically advancedのように「経済上/経済的に」と訳す場合もあれば、as economically as possibleだと「できるだけ安上がりに」でcheaplyの意となります。
アクセントは第3音節。
5.economics: こちらは「経済学」という学問の名前。アクセントは第3音節。
6.economist: 日本語では「経済専門家」「経済学者」「エコノミスト」の違いが議論になることもありますが、どれも英訳するとeconomist。アクセントは第2音節。
以上、econ-で始まる語を解説しました。アクセントの位置をしつこく書きましたが、カタカナで日本語でよく使われる語を英語らしく発音するにはやはりアクセントの位置を正確に発音することが大切です。また冒頭のeは「エ」ではなくて「イー」、つまり「イコノミスト」とか「イコノミック」と発音する人も多いです。
世界全体で経済が順調に成長しており、イギリスでも直近で予測を上回る成長があった(UK economic growth exceeds forecasts)とニュースになったばかりです。日本では春闘の季節。経済成長が個人のお給料に反映されるといいですね。
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