第114回 「ネット通販」を英語で言うと?
皆さん、こんにちは。秋晴れが続いているイギリスからお届けしています。
今週のトピックは「ネット通販」。英エコノミスト誌2017年10月26日号の「The age of Amazon and Alibaba is just beginning」によると、過去10年間において毎年20%もの成長を続けて来たとのこと。人々の生活スタイルにも大きく影響を及ぼしています。今回は、同記事から気になる用語をいくつか紹介します。
1.まずは「ネット通販」の英訳はいかがでしょうか?
「ネット」だからとすぐinternetという言葉が浮かぶかもしれません。けれども英語ではふつうonline shoppingと言います。
2.consumer goodsの和訳はいかがでしょう?
consumerと聞くと機械的に「消費者」と訳してしまうかもしれません。でも、そうすると「消費者グッズ」?! なんだかちょっと違う気がします。
consumer goodsとは「消費者が使うモノ」で「消費財」と訳します。つまり「個人が直接消費する目的で購入する財のこと」。これに対して、企業が生産目的で消費するのは「生産財(producer goods)」。
3.retailing accounts for one in nine jobsはどう訳しましょうか?
・account for – :~(の割合)を占める
・ one in – : ~に1つ(1人)
このような数字と一緒に使われる表現はIR通訳必須です!
では、上記の文の訳はいかがでしょうか。
「小売業が9つの仕事のうちの1つを占める」→「9人に1人は小売業界で働いている」
4.オンラインショップ(online shop)に対する「実店舗」は英語で何と言うでしょう?
英語では「れんがとモルタル(セメントで出来た)」という意味のbrick-and-mortarがよく使われます。れんが造りではない日本の店舗には使いにくい表現だと感じたら、physical storeとも言えます。郊外ではなく街中にある店舗の場合は、high street shopもonline shopと対比して使われます。(注:high streetはイギリス英語。米語ではmain street)
5.boonとは?
これは「好景気/急成長」のboomと似ているので要注意!
最後がmではなくてnのboonは、オックスフォード辞典でa thing that is helpful or beneficial, a favour or requestと定義されています。文脈に応じて、「朗報/利益/恩恵/お願い事/頼み事」などと訳されます。
本記事ではthis is a boon for competitionなので「これは競争には役に立つことだ」→「これによって競争が活性化される」
以上、オンラインショップの大手米アマゾン社と中国のアリババ社を取り上げた記事からいくつかの用語を紹介しました。
同記事によると、世界の小売売上高のうちネット販売が占めるのはまだ8.5%ということですが、私自身は10年以上前から買い物はほとんどネットで済ませています。支出の9割以上を占めているように思います。グリーン家の場合はこれ以上の伸びは期待できませんが、世界全体ではまだ8.5%なので、今後ますますネット販売の割合が増えていくことが予想されています。
-
国際舞台で役立つ知識・表現を学ぼう!
-
オリンピック通訳
-
英語のツボ
-
教えて!通訳のこと
-
【人気会議通訳者が教える】Tennine Academy
-
通訳者インタビュー
-
通訳者のひよこたちへ
-
ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!
-
通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座
-
通訳者になるには
-
Training Global Communicators
-
忙しい人のためのビジネス英語道場
-
やりなおし!英語道場
-
Written from the mitten
-
通訳者のたまごたちへ
-
通訳美人道
-
マリコがゆく
-
通訳者に求められるマナー
-
通訳現場おもしろエピソード
-
すぐ使える英語表現
-
Bazinga!
-
通訳式TOEIC勉強法
-
American Culture and Globalization
-
中国語通訳者・翻訳者インタビュー
-
多言語通訳者・翻訳者インタビュー