INTERPRETATION

第104回 glamping, staycationとは?

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。日本はちょうどお盆休みの時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。欧米も休暇シーズンなので、今回はホリデーに関連した記事と用語を取り上げます。

まずはglamping。英エコノミスト誌2017年8月10日号では、中国でglampingが流行っているという記事が掲載されています(参照記事)。では、glampingとは何でしょう? これはglamorous campingの略で、同記事ではcamping minus the hassle and grunge, usually in pre-erected and well-appointed tentsと説明されています。実際にテントを張って、キャンプをした経験のある方だとよくご存知だと思いますが、何もないところにテントを張って寝泊りするのは、楽しい反面、色々と大変です。そこでテントを張ったり、片付けたりなどの面倒な面を省いて自然の中でのキャンプを楽しめるのがglampingです。最近ではWifiや電源、バスルーム付きなど、贅沢度が高まっています。イギリスなどの欧州ではかなり前から流行っていて、グリーン家も7,8年前に経験しました。

glampingができる場所をglampsite、利用者をglamperといいます。

イギリスでは年次休暇(annual leave)を利用して夏に2~3週間休みを取って旅行をする(go on holiday、vacationは米語) のが一般的です。フランスやスペイン、ギリシャなどの大陸ヨーロッパで過ごす人も多いし、少し遠出してアメリカに行く人も珍しくありません。

ところがここ数年はstaycationという言葉をよく聞きます。これは、stayとvacationを合わせた造語ですが、ここでのstayは「海外に行かずに自国内に滞在する」という意味です。金融危機以降ポンドが急落し、海外旅行が高くつくようになったので国内で休暇を取る人が増え、staycationという言葉も流行るようになりました。宿泊せずに、日帰り旅行 (days out)で済ます場合もstaycationに入ります。今年はBrexitの影響でさらにポンド安となっているので、staycationが増加しているとのこと。イギリス国内で贅沢なキャンプ(staycation & glamping)も増えているようです。

グリーン家はこれまで日本で2週間ほど過ごすことが多かったのですが、今年はウィーンからブダペストまで猛暑の中360kmの自転車旅行をしました。ちょうど欧州に熱波(heatwave)が通過しているときで連日37度。ちなみに紅一点だった私は電動アシスト自転車(ebike)。それでも「もうダメか」とくじけそうになったり、涙が出そうになったりを繰り返しながらも、なんとか完走できました。毎日異なる町を訪れるのも楽しかったです。

苦しい思いをしてもやり遂げられると充実感があふれ出し、またやりたくなるのが不思議です。なんだか会議通訳と似ていますね。

2017年8月14日

Written by

記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
Follow me on Twitter (@HiromiGreen) and note (https://note.com/hiromigreen)

END