第71回 Trumponomicsとは?
皆さん、こんにちは。いつもお読みくださってありがとうございます。ときどき読者の方から「よく毎週ネタが思いつきますねー」と言われますが、実はネタがありすぎて困っています(苦笑)。今週はOxford Dictionaries発表のWord of the Yearを取り上げる予定でしたが、他にも紹介したい言葉があり、予定を変更しました。その言葉というのは、Trumponomicsです。今年のWord of the Yearに選ばれたpost-truthもTrumponomicsもTさんが関わっています。好む好まないにかかわらず、ものすごい影響力であり、常に最新情報に耳を傾けるべき通訳者としては無視するわけにはいきません。
Trumponomicsという綴り字からご推測の通り、これは米トランプ新政権が掲げる経済政策(Trump+Economics)を指します。日本語でも「トランポノミクス」とカタカナ表記で一部報道されています。
では、具体的にはどのような政策を掲げているのでしょうか?
1.large personal and corporate tax cuts:
まずは大型減税。法人税・所得税ともに減税を掲げています。
2.restructuring of U.S trade deals
こちらは日本でもかなり話題になっているTPP(環太平洋パートナーシップ)と関連。アメリカの利益を第一に考え、それ以外の貿易協定は撤退・再交渉するとのこと。メキシコ・カナダとの貿易に関税が発生するようになるのかどうかは北米に進出している日系企業にとっても大変気になるところです。
3.large fiscal stimulus for the U.S. economy on infrastructure and defense
インフラ整備および軍事向けに大型の財政出動。
選挙期間中に色んな発言をしていて、一体どこまで実行されるのか今はまったく分かりませんが、勝利宣言にて
“We are going to fix our inner cities and rebuild our highways, bridges, tunnels, airports, schools, hospitals. We’re going to rebuild our infrastructure, which will become, by the way, second to none. And we will put millions of our people to work as we rebuild it.”
とインフラ整備については強く訴えていたので、少なくともこれだけは実行するのではないかと思われます。ただし、インフラの具体例を「道路、橋、トンネル、空港、学校、病院」と6つも挙げているのにwall(メキシコ国境に建設する壁)が含まれていないのが興味深いです。
トランプ氏の計算ではトランポノミクスにより10年間で2500万の雇用が創出され、3.5%の経済成長が見込まれているそうです。そして上記のような大幅減税と財政出動をしながらも政府債務は減らすとのことです。
金融市場ではトランプ氏当選のニュースにいったんは株価急落・円高ドル安になりましたが、トランポノミクスへの期待感から、株価もドルも急反発。Trump rally(トランプラリー)と呼ばれています。まだしばらく乱高下があるかもしれません。
というわけで、今回は予定を変更しTrumponomicsを取り上げました。post-truthや候補に挙がった他の言葉もぜひOxford DictionariesのWord of the Yearウェブサイトでご覧ください。
-
国際舞台で役立つ知識・表現を学ぼう!
-
オリンピック通訳
-
英語のツボ
-
教えて!通訳のこと
-
【人気会議通訳者が教える】Tennine Academy
-
通訳者インタビュー
-
通訳者のひよこたちへ
-
ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!
-
通訳者のための現場で役立つ同時通訳機材講座
-
通訳者になるには
-
Training Global Communicators
-
忙しい人のためのビジネス英語道場
-
やりなおし!英語道場
-
Written from the mitten
-
通訳者のたまごたちへ
-
通訳美人道
-
マリコがゆく
-
通訳者に求められるマナー
-
通訳現場おもしろエピソード
-
すぐ使える英語表現
-
Bazinga!
-
通訳式TOEIC勉強法
-
American Culture and Globalization
-
中国語通訳者・翻訳者インタビュー
-
多言語通訳者・翻訳者インタビュー