第63回 保険用語 第3弾
皆さん、こんにちは。先週は、日銀政策決定会合と米FOMC(連邦公開市場委員会)が相次いで金融政策の発表を行ったことが業界で注目を集めたニュースでした。世界的に低金利が続いていますが、これは年金運用をする保険業界にも大きな影響を及ぼします。そこで今回は年金に関連した用語を紹介します。
DB pensions:
世界中の多くの年金制度が危機的な状況に置かれていますが、企業年金制度ではDB pensionが問題の原因の一つと考えらえています。DB pensionとはdefined benefit pension/plan(確定給付年金)の略で、従業員の勤務期間や給与に基づいて給付額が保証されているタイプの年金。従業員の立場からすると、退職後の年金受給額が決まっているので将来設計がしやすくて魅力的な制度ですが、運用側からすると資産の利回りが確保できなかったり、加入者が予想以上に長生きをしたりすると資金が足りなくなる、という問題がでてきます。実際、低成長・低金利が続き、高齢化しているので、年金資金不足が深刻な問題となっています。
DC plans:
そこで、最近ではDC制度(defined contribution plan/scheme、確定拠出年金)に移行する企業が増えています。こちらは拠出額(掛け金、つまりいくら払うか)は決まっていますが、その資金の運用実績によって給付額が異なります。運用側のリスクは減りますが、加入者にとっては老後の生活に不安が残ります。
401K:
米国の確定拠出年金制度ですが、日本が開始した確定拠出年金はこれを参考にしているので、「日本版401k」と呼ばれています。
actuary:
年金数理人、アクチュアリー、保険数理士などと訳されますが、保険の掛け金や支払い率を決めるために確率・統計学などの数理の知識を駆使して将来のリスク・不確実性の分析・評価する専門職。弁護士(lawyers)や会計士(accountants)に比べると数が少ないのであまり知られていない職業ですが、保険業界には欠かせません。中学英語のactually(実は)と発音が似ているので気を付けましょう。日本人に弱いLとRの違いです。
annuity:
ふつう「年金」と訳されるのでpensionとの違いがピンとこないのではないかと思いますが、annuityとは「一定の期間、加入者に収入を支払う保険契約」のことで、個人的に購入する金融商品としての年金はpensionではなくannuityです。
「年金」というと遠い先のことのようで少し前までは自分の問題とは考えられませんでしたが(単に現実否定?!)、先週末に長男が巣立ち、私ももうそれほど若くないんだと改めて感じました。自分の子供が成長していくというのは、もちろん喜ばしいことですが、なんだか久しぶりに失恋でもしたかのように心にぽっかりと穴が空いてしまったようにも感じています。小さいお子さんがいる読者の皆さん、子育て中はイライラすることもよくあるでしょうが、子供と過ごせる貴重な時間をどうぞ大切にしてください!
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