INTERPRETATION

第56回 交渉に関する表現 その2 

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。今回は大阪からお届けしています。覚悟はしていましたが、やはり暑いですね……。でもせっかくの機会なので、山登り、川遊び、海水浴、花火大会など日本の夏を満喫しました!

では今回も引き続き交渉に関する表現を紹介します。

1.ZOPA

ZOPA(ゾーパ)とは、Zone of Possible Agreementの略で「合意可能領域」や「交渉可能範囲」などと訳され、交渉当事者の双方が合意できる範囲を示します。

例えば、AさんとBさんがパンの売買をすると仮定します。売り手のAさんは、最低でもパン1個100円で販売したいと思っています。一方、買い手のBさんは1個300円を超える場合は購入するつもりはありません。この場合、100円から300円がZOPAとなります。300円に近い額で交渉が成立すればAさんにとって有利な交渉で、100円に近ければBさんにとって嬉しい結果となります。

ただし、実際の交渉では値段だけではなくて数や納期など他の条件も加わり、もっと複雑になります。

2.win a concession: 譲歩を勝ち取る

Aさんの要求すべてにBさんが譲歩して合意してくれれば

→ A won all the concessions from B.

3. wide-ranging discussions: 様々なことについて話し合う

「〜について色々と話し合った」と言いたければ

→ We have had wide-ranging discussions about…

以上、交渉に関連する表現を取り上げました。休暇中のため、短めのコラムで失礼します。皆様も残り少ない夏、夏バテに気を付けながらどうぞお楽しみください。

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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