INTERPRETATION

第35回 Buzzwords 第4弾

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。今週は、再びイギリスからお届けしています。3月に入り、日照時間はかなり長くなったものの、まだまだ寒い毎日。昨日は牡丹雪が舞い散る中を通勤しました。

さて、先月からバズワードと呼ばれる表現をお届けしています。今回紹介するバズワードは、pre-prepare, face time, insourceの3つです。バズワードの説明は第32回をご参照ください。

1. pre-prepare: 第33回で紹介したpre-planと同様、prepareには既に「前もって」という意味が含まれているので「事前に」という意味の接頭辞pre-を付けるのは不要であり誤りだと主張する人がいる一方、「事前に」の意味を強調してpre-prepareと重要そうに語る人もいます。日本語の「準備」も事前に行うものだから「事前に準備する」という表現は冗語だと言う人もいれば、問題なしとして使う人もいるのに似ているのではないでしょうか。Pre-prepared frozen meals(調理済みの冷凍食品)のように料理について使われることも多いようです。

2. face time:これは第8回でも紹介しましたが、iPhoneのビデオ通話機能FaceTimeと混同しないようにしましょう。iPhoneでのチャットと関係ないところでface timeという言葉が使われたら、それは「対面時間」のこと。最近では同じオフィスで働く同僚にも連絡方法はメールのみで実際に話すことがない、という職場環境が増えているようです。だからこそ、メールでも電話でもなく実際に会って話をするface timeは有意義な時間といえるのでしょうね。

I hope to get more face time with my boss.

上司と会って話す時間がもっとあればいいなと思う。

3. insource: 「外部委託/外注をする」という意味のoutsourceは皆さんご存知だと思いますが、ではinsourceとはどういう意味でしょう? これは「(外注するのではなく)組織内・社内の人に頼む」という意味です。

The company A plans to insource software projects.

A社はソフトウェア・プロジェクトを社内で受け持つ予定だ。

以上、今回はpre-prepare, face time, insourceという3つのバズワードを紹介しました。お役に立てば幸いです。

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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