第32回 Buzzwords 第1弾
皆さん、こんにちは。今週から数回にわたりBuzzwordと呼ばれる表現をお届けします。まずは、buzzwordという言葉をご存知でしょうか? Oxford Dictionariesは “A word or phrase, often an item of jargon, that is fashionable at a particular time or in a particular context”、デジタル大辞泉は「バズワード」を「いかにも専門的に聞こえるが、実は意味が不明確なまま世間で通用している言葉」と定義しています。ちょっと新鮮な響きで大事そうに聞こえ、経営コンサルタントやマーケティング担当者などが好んで使うことが多いけれども、それを聞いた人(特に年配者?)は眉をひそめることも珍しくない、というイメージがあります。日本語では、ユビキタス、ビッグデータ、ブレスト、のようなカタカナ語がバズワードに当てはまるのではないでしょうか。これから数週間にわたり紹介するbuzzwordsは英語ネイティブのビジネスパーソンなら皆見聞きしたことがある表現ばかりなので、馴染みのないものがあれば是非この機会に学び、使えなくても意味は理解できるようになると役に立つ日が来るかもしれません。
今回紹介するbuzzwordsは、1)utilise, 2)re-purpose, 3)think outside the boxの3つです。
1. utilise (米 utilize) :「活用する」という意味でuseの代わりに使われます。leverageも同様。こういう長いスペルの言葉を使う方が重要そうに聞こえるので好まれるのでしょう。
2. re-purpose: 「目的を持つ」という意のpurposeに「再び」という意の接頭辞re-がついて「再び目的を持たせる」→「既にあるものを新しい方法で利用する」という意味で使われます。purposeは「目的」という名詞で使われることの方が多いけれどもre-purposeはふつう動詞で使われることにも要注意。日本語でも「リパーパス」とカタカナ語が使われているようですね。ブログ記事やメルマガの内容をeBookにまとめるなど、既にあるコンテンツを利用して別の形で提供するような場合に使われていて、本コラムも一部Twitterでリパーパスしています。
3. think outside the box: 既存の枠組みにとらわれないで考える。box(箱)というと形が決まっていて硬いイメージ。その箱の外で考える、ということで自由な発想でモノを考えるという創造性が感じられる表現です。そのような考え方ができる人をoutside-the-box thinkerと言います。
以上、今回はutilise, re-purpose, think outside the boxという3つのbuzzwordsを紹介しました。お役に立てば幸いです。
ところでロシア語会議通訳者・米原万里さんの著書『魔女の1ダース』の解説で師匠の徳永晴美氏がこう書かれています。
「(万里ちゃんは)まず通訳をやってギャラをもらい、その内容のおいしい部分を雑誌に書き、それをもとに単行本を出し、それが文庫本になる。一粒で四度美味しい。グリコも顔負け。」
さすがです。通訳経験を3度もリパーパスされていたんですね!
実は私、そのおかげで、つまり米原さんの講演を聞き、雑誌の記事を読み、『不実な美女か貞淑なブスか』を読んだことで同通を目指すようになりました。今でもお亡くなりになったことを思うと残念でたまりません。でも生前に多くの書物を残してくださったことに心から感謝しながら今日も前を向いて歩いていきたいと思っています。
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