第19回 IR関連・第3弾、「○○利益率」の英訳は?
みなさん、こんにちは。11月11日は、中国では「独身の日」と呼ばれ、ネット通販で大規模なセールスが行われたそうですが、ここイギリスではArmistice Day(第一次世界大戦の停戦記念日)として知られています。停戦を迎えた午前11時に2分間の黙祷を捧げることになっています。また11日に近い日曜日(今年は8日)はRemembrance Sunday(Poppy Dayとも)として、各地で戦没者を慰霊する礼拝が行われます。この時期にイギリスを訪れた人は、胸に赤い花のバッチをつけた人々を多くみかけたことでしょう。これは日本の「赤い羽根共同募金」のような募金活動で、退役軍人や戦没者遺族の支援のために行われています。
では今週も引き続きIR関連用語を取り上げます。前回は「○○利益」について説明しましたが、今回は「○○利益率」。よく似ているようで、どう違うのでしょう?
初歩的な説明で失礼かもしれませんが、「率」とあるので、「何を何で割っているか」、つまり「分母」と「分子」は何かを考えなければなりません。
「利益率 (margin) 」の種類はいくつかありますが、分子には前回取り上げた「粗利益」「営業利益」「経常利益」「純利益」などが用いられます。
分母には、売上高 (revenue)、総資本 (assets) 、自己資本 (equity) などが使われ、それらの分母と分子を組み合わせて指標を出します。企業の収益性 (profitability) や効率性 (efficiency) を比べるために用いられます。
よく出る指標を3つ紹介します。
まずは、「売上高営業利益率 (OP margin)」。計算式は次のとおり。
売上高営業利益率 =営業利益 (operating profit) ÷ 売上高 (revenue)
次に「総資本利益率(ROA、Return On Assets)」。これは、企業がすべての資本を利用して、どれだけの利益を上げているのかを示します。
ROA=純利益÷総資本
最後に「自己資本利益率(ROE、Return on Equity)」。これは、会社が株主から預かった資金を使ってどれぐらい効率的に稼いだかをみる指標です。
ROE=純利益÷自己資本
ここで「○○資本」を整理。
• 「自己資本」とは「他人資本」に対して使われる「返済義務のない資本」で「株主資本 (shareholders’ equity)」とも呼ばれます。
• 「他人資本 (borrowed capital / loan capital)」とは、言葉から想像がつく通り、借入金など外部から調達した資本で、返済義務があります。
• 「総資本」は「自己資本」と「他人資本」を合算したもので、「総資産」と同じ金額になります。
以上、「○○利益率」を取り上げました。紹介した「○○率」は
1. 売上高営業利益率
2. 総資本利益率
3. 自己資本利益率
の3つだけですが、割り算のために使われる数字が増えたので、前回よりも難しかったかもしれません。このような用語がどんな文脈で使われているのか調べてみると理解が深まるでしょう。
ところで、本記事の執筆中にパリでテロ事件が起きました。犠牲者やその関係者の方々にお見舞い申し上げます。また、このような残虐な事件が二度と起きないことを心から願っております。
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