INTERPRETATION

第12回 会議で意外に便利なonとoff

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

みなさん、こんにちは。日本代表チームが大金星を挙げたラグビーワールドカップ・イングランド大会の開催都市、ブライトンからお届けしています。次の開催地が日本(2019年)ということで日本からも多くの関係者やラグビーファンが訪れていて、とても賑わっています。日本もイングランドも決勝トーナメントに勝ち進めるといいですね!

今回は、on と off を使った、単純ながらも意外に役立つ表現を取り上げます。このような前置詞は実に様々な用法がありますが、ここでは会議での用法に限定して紹介します。

まずoffsite meetingとonsite meeting。企業や組織がふだん勤務に使っているオフィスを使って行う会議をonsite meeting、ホテルの会議室など社外の施設を使って行う会議をoffsite meetingと呼び、わざわざリゾート地まで出かける場合もあります。社内のメンバーだけが参加する会議でもふだん違う環境で行うと新しいアイデアも出る、という発想からあえてoffsite meetingを実施する企業も特に西欧では増えています。逆にふだんの環境で行うのがonsite meeting。

「アジェンダに含まれている項目なのかどうか」もonやoffで表せます。on the agendaなら「アジェンダに含まれている」、off the agendaだと「アジェンダにない項目」ということになります。「項目」はitemなので「次はアジェンダの5番目の項目、プロジェクト管理についてです」だと

→ Next on the agenda is item 5, project management.

会議やイベントでは予定通りに進むことが大切ですが、こんなときもonを使ってon timeで表せます。「会議が予定通り開始できるよう5分前にお越しください」だと

→ Please arrive five minutes early so that we can start the meeting on time.

ちなみに「予定通りに進んでいない」場合にoff timeとは言えないので気をつけてください。

予定より早ければahead of schedule、遅れていればbehind scheduleといいます。

off timeという表現はふつう使われませんが、time off(語順に注意!)だと「仕事を休むこと・休暇」という意味。timeの代わりに休む期間を入れることもできるので「1週間の暇をもらいます」だと

→I am taking a week off.

誰でも知っているonとoffですが、以上の用法がお役に立てば幸いです。

では、ビールやワインを片手にラグビーの応援をしましょう! (あ、ダイエットが……)

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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