INTERPRETATION

第27回 Wearable technology、どこまで生活に浸透していますか?

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。年明けの仕事や学校が始まって、1週間。いかがお過ごしでしょうか。

先週のビジネスニュースでは中国の株価暴落とそれが世界に広がった影響が大きく報道されましたが、私が注目したニュースは、1月6日付英Financial Times紙UK版のトップニュース、”CES 2016: Fitbit launches latest fitness-focused smartwatch”でした。

冒頭部分を紹介します。

Fitbit launched a new fitness-focused smartwatch at the Consumer Electronics Show on Tuesday, as looks to stave off growing competition to its early lead in wearable technology from beyond Silicon Valley.

The Blaze smartwatch will go on sale in March, starting at $199 – just over half the price of the cheapest Apple Watch at $350.

以下はこちらをご覧ください。

http://www.ft.com/cms/s/0/a046e528-b398-11e5-b147-e5e5bba42e51.html#axzz3wa1gibSr

では用語の解説をします。

• CES: Consumer Electronics Show 世界最大の家電見本市、毎年1月に米ラスベガスで開催される。時代の先端を行く製品や技術が発表される場。

• Fitbit: 歩数や心拍数、消費カロリー、睡眠追跡をサポートする腕時計型フィットネス端末。JawboneやGarmin、Misfitなどと比較される人気ブランド。

• stave off: 食い止める、防ぐ、抑える

• wearable technology: ウェアラブル技術。腕時計やメガネ、指輪のような形態で身に着けたまま使える端末。このような新しい技術は日本語では分かりにくくてもカタカナで定着していますね。

• Blaze: Fitbitの新しい仲間。これまでのフィットネス端末をさらに進化させたスマートウォッチ。Apple WatchやAndroid系のスマートウォッチと競合することになる。 

• just over half the price of the cheapest Apple Watch at $350: 「~の半額を少し上回っている」と「最も低価格のアップルウォッチは350ドル」という二つの要素を含め、うまくつなげて訳すのは意外に難しいかもしれません。

これだけ読むと、この新しい製品に期待が高まっているのかと思いきや、この後 “Fitbit closed 18 per cent lower at $24.27, its lowest point after the initial public offering” と続きます。「発表日のFitbitの終値は前日比18%安の24.27ドル、上場以来の最安値をつけた」ということです。既に競争が激しいスマートウォッチ市場におけるBlazeの成功する見込みについて、投資家の意見は厳しいようです。

ドローンやVR(バーチャルリアリティ/仮想現実)などの他の新技術に加え、今後どんなウェアラブル端末が生活に浸透していくのか、今後も注目していきたいと思います。

ところで、先週の記事をご覧になった方から、「Willpowerに頼るのではなく楽に行動を変え、また継続できるよう環境を変えることが大事」という考え方(Choice architecture)について、またその関連記事としてFive myths about our habitsをご紹介いただきました。

https://www.washingtonpost.com/opinions/five-myths-about-our-habits/2015/12/31/1f3ab244-ad93-11e5-9ab0-884d1cc4b33e_story.html

どうもありがとうございます。

偶然というか、この記事にもFitbitが出ています。そしてまた実は第21回でお話ししたBlack Fridayに購入した夫へのプレゼントというのはFitbit Surgeでした! 歩数、心拍数、カロリー消費量、階段を上った数などの表示可能でGPS機能もついています。これはダイエットにいいぞ!と思い、「夫へのプレゼント」という名目でついつい自分の分も買ってしまいました! この端末とFitbitのアプリ(上記リンク先参照)とを連動させ、カロリー摂取量も入力し、健康管理をしながら、昨年のダイエット目標を今年こそ達成しようと今日もがんばっています。

本コラムでは、皆さまのご意見・ご要望にもお応えできたらと思っています。これまで取り上げた内容の続編も含め、リクエスト・ご感想をぜひhi-career@ten-nine.co.jpまでお送りください。

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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