INTERPRETATION

第117回 恋愛に関連する用語

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。先週、結婚関連の用語を取り上げたところ、原稿提出直後にイギリス王室のハリー王子が婚約発表をしました!米女優メガン・マークルさんとのラブラブの様子はもう既にご覧になっているかと思いますが、本件の報道から恋愛に関して語るときに使える表現を取り上げます。

1.「遠距離恋愛」を英語で言うと?

→ long-distance relationship

relationshipは恋愛とは関係ない「人間関係」「(国家間や企業間の)関係」の意味でも使われますが、男女の「恋愛関係」の意でも使われます。「~と関係がある/付き合っている」は have a relationship with – 。お二人はイギリスとアメリカという国境だけでなく大西洋を越えた遠距離恋愛の末、婚約に至ったようです。

2.「共通の友達」を英語で言うと?

→ a mutual friend

「共通の」につられて機械的に common friendと言わないように気を付けましょう。commonを使うならa friend in common。

ハリー王子とメガンさんはa mutual friendに紹介されたとのこと。

「共通の友達のおかげで知り合った」

→ We met through a mutual friend.

3.blind dateとは?

直訳すると「目隠しデート」。辞書には「ブラインドデート/初対面のデート/お見合い」などという訳語が出ていますが、どれもしっくり来ない気がします。つまり、日本人はblind dateをあまりしないからでしょうか。共通の友達の紹介だったとしても友達と一緒に会う場合はblind dateとは言いません。「(仲介者が同席せずに)うまくいけば恋人になることを前提に初めて会うこと」をblind dateと言います。ハリー王子とメガンさんはa mutual friendの紹介でblind dateをし、お互い一目ぼれしたようです。その後はback-to-back(立て続けに/連続して)デートを繰り返したとか ♡

「初対面のデート」でも最近増えている「出会い系サイト(online dating)」で知り合った場合は、ふつうblind dateと言いません。

4.「真剣に付き合う」を英語で言うと?

→ make a commitment、commit to each other

commitmentやcommitは、ビジネスや法務関係、政治家のスピーチなど色んなところで頻出で、そのたびに「適訳は何か?」と迷う語の一つですが、恋愛関係にも使えます。一時的な恋愛関係ではなくて「(長期的に)真剣に付き合う」というときに使われます。

5.It was just a choiceとはどういう文脈で使われたでしょう?

BBCインタビューで「(メガンさんは女優業、ハリー王子は公務でお二人ともお忙しかったでしょうが)How hard was it to keep things going?」と聞かれて、メガンさんから出た回答、「単に何を選ぶかということね」。これは、恋愛だけでなく、あらゆることに当てはまるのではないでしょうか。やりたいことややるべきことが山ほどあっても時間は限られている。そこで何を「選ぶか」が結局は人生を決めるということですね。

6.「婚約者」を英語で言うと?

まずはカタカナ英語の「フィアンセ」が浮かぶでしょうが、これはフランス語が語源なので男性の場合はfiancé、女性はfiancéeと少し異なります。他にも男性の場合は、groom-to-beやhusband-to-be、女性はbride-to-be, wife-to-beなどの表現も使われます。

以上、おめでたいニュースを受けて、恋愛に関する表現を取り上げました。

blind dateと聞いて遠い昔を思い出しました。「日本人はあまりしない」と書きましたが、実は20代のころ経験あります(遠い目)。相手は少し年上の日本人男性で「共通の友達」は「絶対にうまくいく」と断言して紹介してくれ、ブラインドデートしましたが、とても気まずかった記憶が残っています(苦笑)。日本ではお見合いパーティや合コン(speed dating events)のように大人数で出会う機会のほうが多いかもしれませんね。

お二人のラブラブトークに耐えうる方はこちらをご覧ください。(私は半分でギブアップしましたが。笑)

2017年12月4日

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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