INTERPRETATION

第50回 Bite

木内 裕也

Bazinga!

 中学校で学ぶ簡単な英単語に思わぬ意味があると、新しい単語を覚えずに表現が膨らんだ様で、少し得をした気分になります。そんな表現の1つがBite。「噛む」という動詞で学校では学ぶでしょう。Let’s go grab a bite.と名詞で使えば、「食べ物」の意味にもなります。Let’s go have something to eat.と食事に誘うのは、いかにも教科書どおり。Wanna grab a bite?は良く聞きます。しかし、それとはまったく違って、Biteには「ひどい」という意味もあります。一生懸命がんばったけど、試験に不合格だった時には、That bites.「それは残念だったね」という意味になります。腕を噛まれる様子を想像するといいでしょう。それくらい不本意な状況なのです。また、Bite the floorといえば、「転ぶ」という意味。「床を噛む」様子から、転倒が想像できるでしょう。慣れないダンスをして格好つけようとしたけれど、見事に転んだ時には、I bit the floor.です。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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