INTERPRETATION

第43回 Polar vortex

木内 裕也

Bazinga!

 2014年のアメリカは、大寒波と大雪で始まりました。いつもは雪の降らない地域や、氷点下にならない地域でも降雪があったり、氷が張ったりしました。私の住むミシガンは、例年たくさんの雪が降りますし、最低気温がマイナス20度くらいにまでなることもありますが、それを上回る状況でした。昨年も、1度大雪が降ったことがあり、日本でも知られている「アルマゲドン(最終戦争)」を文字って、Snowmageddonと言われました。日本のように「流行語大賞」があれば、選べれてもおかしくないほど使われた表現でした。今年の寒波で同じように流行した表現は、Polar vortex。日本語では「極渦」というようです。英語でも日本語でもなかなか耳慣れない表現です。アメリカでも、このPolar vortexがどのようなものか、気象予報士が解説していました。北極や南極(アメリカの場合は北極)の上空にできる気流の渦のことだそうで、それがアメリカにまで張り出してきたようです。国土が広いためか、多民族国家で特に共通の関心事が無いからか、理由ははっきりしませんが、アメリカには流行語大賞がありません。もしもあれば、2014年の候補になっていたでしょう。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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