第25回 Brick and mortar
アメリカでは州によって税金のシステムが違います。例えばある州では食品には消費税が課税されないものの、洋服には課税があったり、他の州ではあらゆるものに消費税が掛かったりします。場合によっては消費税のまったくない州もあり、日本よりシステムは複雑です。そんな環境で、一層物事を混乱させているのは、オンラインでの買い物。ミシガン州の人が、ニューヨーク州にあるお店から何かを購入する際、ニューヨーク州の税率を払うのが基本ですが、購入時には課税がなく、税制上は年度末の確定申告で払うことになっています。しかしこのシステムを知っている人は1%にも満たず、実際にその時に税金を払う人はゼロに近いと言われます。政府も特にこの規則を守らせようと努力することもありません。しかし、もしもきちんと税金が払われれば、州にとっては収入となり、財政難にあえぐ各州は連邦政府に圧力をかけ、消費税をきちんと払うシステムの確立を求めるようになっています。
この話の中でよく出てくる表現は、Online store(アマゾンなど)に対して、Brick and mortar businessです。Brickはレンガ。Mortarはモルタル(砂、セメント、水を混ぜた建築材料)です。したがって、Brick and Mortarはオフラインのお店を指す言葉として使われます。OnlineとOfflineと言ってもいいのですが、Brick and mortarにはやや伝統的な響きがあります。似た表現に、Mom and popと言うものもあります。これは夫婦で経営している小さなお店のこと。Mom and pop grocery storeといえば、地元の小さな食料品店。スーパーではなく、昔からある小さなお店です。Small businessのことを指します。
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