第19回 Americanization & Globalization
今週のテーマはメディアとグローバル化。内容に入る前に、英語のレッスンから。
Mediaという単語は、日本語でそのまま「メディア」というように、とても親しみのある単語ではないでしょうか。しかし英語を話す上で、ミスの多い単語でもあります。MediaはMediumという単語の複数形。したがって、Media is…とかMedia influences…というのは、文法的に誤っています。これと似た単語には、Dataがあります。Dataも複数形ですから、「データが示すように」はData showであり、Data showsではありません。これはネイティブスピーカでもよく犯す間違い。アメリカ人の大学生にライティングの授業を教えると、ほぼ全員が間違って書きます。
さて、メディアの話に戻しましょう。世界的にメディアはOligopolyにあります。Monopolyという言葉は皆さんご存知でしょう。ゲームにもなっている名前ですが、Mono =単独が示すように、独占状態でMonopolyといいます。寡占はOligopoly。少数の企業が市場をほぼ独占している状況です。世界的にメディア市場はこの状態にあります。
アメリカの例を考えると、Time Warner、Disney、CBSなど全部で6つの企業(Media giantsと呼ばれています)が寡占状況を作り出しています。それにはいくつかの問題があるとされています。
1つ目はメディアの独立性。例えばアメリカのTVチャンネルにABCがあります。質の高いニュースを提供しています。しかしABCはDisneyの傘下にあります。その状況で、いったいABCのニュースは親会社のDisneyについて正確な情報を視聴者に届けることができるでしょうか? つまり、もしもDisneyに関するニュースがDisneyの株価に悪影響を及ぼす可能性があるとしたら、ABCはどれだけ積極的に情報を提供できるでしょうか? 同じことがTime Warnerにも言えます。CNNは日本でも有名ですが、親会社はTime Warner。この会社は、有名なTime誌も傘下にしています。これらの世界的メディアが、Time Warner社に関する情報を適切に提供できないとしたら、それは問題でしょう。様々な方法で、そのようなことが起こらないように措置がとられいますが、それでも多くの人が警鐘を鳴らしています。
次に考えられるのが、メディアのバイアスです。FOXは例えば保守派であるという批判がされています。特にここ10年ほどは、FOX Newsがブッシュ前大統領の政策を支持し、CNNなどが民主党の意見を支持するという構図が非常に明確でした。あまりに偏った視点はメディアとして不適切ではないかという議論がされ、少しずつその傾向を修正しようとされていますが、それでも少しニュースを見れば、相変わらずの構図はすぐに見て取れます。
また、もしもABCのジャーナリストがDisneyにとってマイナスのニュースをレポートできないような状況があったとすれば、それはジャーナリストの自由の権利に関わる問題です。この点も懸念されています。
今後どのような方向に進むかは、まだわかりません。しかしYouTubeなどのメディアの影響が大きくなっていることは確か。だからといって、Media Giantsの影響が落ちているわけではありません。今度はインターネット上の世界で寡占状況が起きようとしているのですから。しかし、賢い視聴者としては、メディアの世界がどのような状況にあるか知っておくことは必要です。
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