第13回 Americanization & Globalization
グローバル化に関わる様々な例をこれまで見てきました。ここ2回は野球とサッカーに焦点を当てましたので、今週は少し内容を変えて、言語を考えて見ましょう。これまでに考察してきたとおり、アメリカの影響は日本国内で非常に大きなものがあります。その結果、英語の表現を日本でも頻繁に耳にすることがあります。
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その例の中には、物を示すものがあります。例えばテレビやコンピュータなどは、英語の単語が日本語にカタカナ語として借用されたものですよね。IT関係の通訳をしていると、助詞だけが日本語で、それ以外はカタカナを乱立しているのではないか、と思うこともあります。しかしあえてそれらを日本語にしてしまうと、その業界にいる人々の理解を阻害してしまうという現実もあります。聴衆を知るということが必要ですね。物を示す言葉以外にも、概念など、触ることのできないものを指す単語もあります。最近よく耳にするのは「リスペクト」「アジェンダ」「コミットメント」など。これらの単語は確かにカタカナを日本語にするのが難しいと感じることもあるのでしょう。しかしこういった表現を望ましくないと感じる人は比較的多いですし、プロの通訳者としてはこういった表現も聴衆にとってわかりやすい日本語にして訳すことが必要だろうとも感じます。
しかし英語以外にもカタカナ語はありますよね。鎖国時代にポルトガルやオランダと交易をしていたことによって、ポルトガル語やオランダ語の影響は大きいと言います。ポルトガル語であればカステラ、オランダ語であれば手術で使うメスなどがそうですね。ケーキ屋に行くとマロンといいますが、英語ではChestnutですね。
またさらに興味深いのは、日本語が英語などの外国語にも入り込んでいること。交番や過労死などは、英語として認められています。だからと言って、どの英語話者もこれらの言葉を知っているわけではありません。しかし文化色の濃い寿司やしゃぶしゃぶは、とてもよく知られた単語です。また、英語が日本語となり、それがまた英語として使われている例もあります。今回のレクチャーではアニメの例を取り上げています。アニメはAnimationに由来する外来語ですね。AnimationとはAnimateという動詞からわかるとおり、日本で考えられている「アニメ」より大きなカテゴリーの単語です。しかしこのAnimeという言葉が英語になったことで、この単語は宮崎駿やディズニー、ドラえもんなどとは違う、ある特殊な漫画を指すことが非常に多いです。
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