第10回 Globalization & Americanization
今回のテーマはGlobalizationとAmericanizationです。
グローバリゼーションと聞いてどんなことを想像しますか?これまでのレクチャーの中でも、すでにどのようにグローバリゼーションが私達の生活に影響を与えるか、考えてきました。Social Locationの内容では、世界の中での自分のアイデンティティーを考えました。Beautyのレクチャーでは、世界や文化によってその定義が違うことに言及しました。そして前回と前々回のレクチャーではブランドに焦点を当てました。
ブランドのレクチャーでは、グローバルブランドを羅列して、その特徴を探ってみました。今週の内容とは離れますが、Aspirational Brandという概念は非常に重要なものですから、ぜひ覚えておいてください。きっと皆さんの会社、部署、そして個人のブランディングのヒントになると思います。
グローバルブランドを羅列したとき、日本のブランドと日本以外のブランドが生まれました。日本以外のブランドとして、Rolex(スイス)やIkea(スウェーデン)などが挙げられました。しかしMcDonald’s、Ford、Googleなどアメリカのブランドも沢山出てきましたね。よく考えると、「グローバリゼーションとは結局のところ、アメリカ化でしかないのでは?」と思わずにはいられないこともあります。実際のところはどうなのでしょうか?
経済の世界では、Big Mac Indexというものがあります。有名なThe Economistという雑誌が最初に紹介したものです。1つのビッグマックが世界の各国でどれくらいの値段で売られているか、ということを探り、それを元に通貨の価値を考えるものです。例えばアメリカでビッグマックが2ドルだったとします。日本で、(あくまで例えばです)200円だったとします。もしも円とドルの交換レートが1ドル85円だったとすれば、本来はビッグマックが170円で売られていていいはずですね。しかしそれが200円で販売されている。この170円と200円の格差をもとに、一体為替レートが的確であるか、各国の経済状況はどうか、ということを考えるのに役立つのです。ここで重要なのはそのメカニズムではありません。それより、この様なIndexが可能であるという事実です。つまり、マクドナルドが世界中に進出し(約120カ国というデータもあります)、ビッグマックを世界で食べることができるからこそ、この様な経済統計が取れます。グローバリゼーションを測る指標がアメリカ化の結果として生まれた社会現象であるということです。
他にも映画、政治経済のニュース、有名な芸能人などを考えると、諸国の知識があるとは言え、やはりアメリカのインパクトが大きいことは否めません。すると、グローバリゼーションは本質的にアメリカ化であって、そこにいくらかの例外がある、ということなのでしょうか? この仮説の信憑性がある程度出てきますね。グローバル化した社会は、アメリカの影響を受けやすくなった社会ということです。必ずしも、全ての国がグローバル化に参画している、というわけではないのです。
議論をする上、そして正しい知識を得る上では、複数の視点を見ることが大切です。次回のレクチャーでは、グローバリゼーションがアメリカ化ではないとする意見を考えてみましょう。
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