第9回 Global Brand 2
今週は先週から引き続いて、Global Brandの話です。先週までに、BrandにはPersonal BrandとCorporate Brandがあることの話をしました。つまり、一般的に「ブランド」という言葉で連想するように企業が持つブランドがある一方、個人のブランドも存在するということです。この点を中心に今週は話を進めていきます。
▶ 第9回のレクチャーはこちらにアクセスしてください。
まずはGlobal Brand Exerciseから。前回のレクチャーで、いくつかのブランド名をリスト化しました。レクチャーの最後に、それぞれの会社がどのような製品を作っているか、そしてどこの国をベースにしているか、分かる限りで書き出してください、とお願いをしました。SONYやNintendoのような会社は比較的簡単だったでしょう。NokiaやNiveaは名前を聞いていても、はっきりと分からなかったかもしれません。ShellやHaagenDaazは比較的間違えやすいものです。レクチャーの中で、詳しくそれぞれの企業がどんなサービスを提供しているか、どこの国をベースにしているかを解説しています。
しかしこのExerciseで分かるのは、国ごとのステレオタイプがあると言うこと。つまり、ドイツと言えば車。日本といえばコンピューターゲームや電化製品。韓国は電化製品や車。スイスはチョコレート、コーヒー、時計。フランスは化粧品やバッグといった風です。ある意味でこれが正しいこともあるのですが、常にそうとも限りません。しかし国がこの様なブランドを持つ、ということにはある意味で価値があります。なかなか海外の観光客が日本に来ない、と話題になりますが、観光客はイメージで旅行先を決めます。バハマの海岸でリラックスしたい、パリのカフェに行きたい、など。日本だと秋葉原の印象が強いですが、それだけでは何千キロも離れたところから観光客を呼ぶことは難しいでしょう。
さて、国にステレオタイプがあると同時に、企業にもステレオタイプやイメージがありますね。アメリカだと様子も違いますが、日本だとAdidasはサッカー、Nikeはバスケットボールといった様子。自動車も、日産、ホンダ、トヨタではイメージが違います。アップル社のコンピュータと、IBMでも全然印象が違いますよね。この様なブランドのイメージは非常に重要性が高いものです。
この点は、Personal Brandで顕著に現れます。Corporate Brandの多くは何か物を提供してくれます。パソコンであれ、自動車であっても、または飲食品であっても、何か物が手元に来るのです。しかしPersonal Brandは違います。Tiger WoodsのTシャツや帽子、もしくはMichael Jordanのスニーカーは高価なものです。5000円のスニーカーではなく、2万円のスニーカーを買うことで、もう1足、スニーカーが手に入るわけではありません。しかしその価値を見出すのは、そのPersonal Brandの一部になりたい、同じ価値観を共有したい、という気持ちになるからです。これをAspirational Brandといいます。Aspirationは熱望すること。「○○のようになりたい」と思う気持ちです。こう思わせることが、Corporate Brandでも重要です。これはGlobal Brandの多くに共通する要素です。
さて、次回からはAmericanization とGlobalization の話をします。この2つは違うものでしょうか? 多くの場合、グローバル化がアメリカ化になりがちですね。この点を考えてみましょう。
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